冬の訪れと思い出 | Dancin’ life★

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福岡・宗像・飯塚・久留米・オンラインでベリーダンスとバレエ教えてます。ダンサーとして県内外で活動中。Bellydance Najm主宰。イベント・レッスンのお問い合わせはお気軽にどうぞ♡

11月30日。
昼と夜を隔てる境目のような日。


昨日まで春の夜のような暖かさで、半袖で窓を全開にするような陽気だったのに、今日から一息に冬が来た。


びゅうびゅうと容赦なく吹き付ける風に、一桁代のシンとした空気。本来のこの時期の気候にやっと戻ったと言った方が正しいのかもしれない。

今月に入って、とても11月とは思えない暖かな日が続いていた。

最初は暑いだの、着るものに困るだの、衣替えのタイミングを逃しただの多少の小言を言っていたけれど、実は案外心地よく温暖な気候を謳歌していた。

冬から春になった時のやたら暖かな日や、初夏のちょっぴり肌寒さの残る夜の雰囲気や匂いを思い出し重ねては、そのちょっとしたノスタルジーに浸っていた。

子供の頃母親と叔母にごくたまに連れて行かれた古い喫茶店の目が覚める位酸っぱい生搾りレモンスカッシュの味。行くのは母と叔母が仕事が終わった後なので大抵夜の10時頃で、まだ6〜7歳だった当時のわたしにはかなり背伸びした大人の世界を垣間見るようで、どきどきしたし楽しかった。

また、同じ頃、深夜営業のスーパーマーケットに連れられて、その入り口のフラワーコーナーで見た色鮮やかにカラーリングされた青や緑のカーネーションを思い出す。

何故だかわからないけど、これらの記憶は大抵冬の初めに何とも言えない懐かしさとともに蘇る。連れられて行った季節が初冬のこの時期だったのかは全く覚えてないけれど、今でも色鮮やかに、香りまで蘇るから不思議だ。

昔はクリスマスとお正月が過ぎたら冬が大嫌いだった。

福岡の冬は南国九州と言われる割には過酷で、やたら風が強かったり底冷えがしたりで、冷え性のわたしには拷問に感じていた。当時は風邪をひくと容赦無く喘息の発作に襲われたし、今みたいにヒートテックやフリースやネックウォーマーなどの優れた防寒具が豊富だった訳でもないので、寒さにやたら怒りや憤りを感じていたものだ。(なんの歌だっけ、華原朋美さんの歌の歌詞で、寒い夜を憎んでいたという歌詞がやたら納得出来た)

それほどお正月以降の冬が大嫌いだったけど、今はそうでもない。

民家の庭先でたわわに実った南天の実の鮮やかな色を見つける事や白木蓮が咲き綻ぶのをわくわくしながら待っていたり、道路の隅にオオイヌノフグリの小さな青い花が咲いているのを見つけて嬉しくなったり、どこからともなく漂う梅の花や沈丁花の香りにときめいたり、季節の移ろいの中に沢山の喜びを見出せるようになってきた。


これも歳の効かな…と思ってみたけれど、理由は【車】だ。昔のわたしと違い、今はどこに行くにも家族名義のささやかな車がわたしをどこにでも連れて行ってくれる。


分厚い防寒着やカイロが無くても、ストール一枚あれば快適な温度で、最低限の労力でどこにでも行けるのだ。


今日も、福岡から宗像までわたしを運んでくれたささやかな車。立派じゃないけど、程よく履き潰したお気に入りの靴のようで気に入っている。


明日もまた、わたしを最小限の労力で色々な場所へ届けてくれるだろう。寒くても、へっちゃらだ。


明日から、12月。
冬本番がやってくる。