妖女よもやま話③
真夜中の真っ暗な博多埠頭に怪しすぎる黒塗りの車と白塗りの女達。
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Keine氏がロケハンして撮影場所に決めた某所に機材と荷物を運び、準備を進める。ふっくらした半月が雲間から見え、生ぬるく湿った海風が吹く。
真夜中の工場は闇が濃く、小さなクリップオンとソフトボックスの光だけでは到底光量不足。携帯の明かりさえも借り出しての撮影となった。
Keine氏の機転とセンスでなんとかアー写を撮り終えた頃には深夜2時近い時間になっていて、タクシーを呼んだら往路よりも更に怪しまれ、説明に時間がかかったのを憶えている。
「博多埠頭なんですけど、お願いできますか?」
「ハァ⁉️
博多埠頭⁉️
埠頭って言っても真っ暗でどこだか分かりませんよ⁉️ 住所か目印とかないですかね
」
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
「住所わからないです
…ん〜〜〜〜、あっ、⚪︎×製粉って書いてある所にいます‼️
」
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
場所を伝えるのに、とにかく真っ暗で視界も皆無に等しく、自分の位置も理解できていなくて、疲れと変なテンションでしどろもどろだった感じ。
当たり前だけど帰りのタクシーの中でも思い切り怪しまれました。この時、「暗がりの真夜中の工場前でお化けみたいな白塗り女達がライトに浮かび上がってきた時のドライバーさんの心境はいかばかりか」を考えていた。
例えばよくあるやつで、ダムに呼び出されて行ってみたら髪の長い女が立ってて、乗せるといつのまにか忽然と消えててシートが水浸しになってた、とか。
ダムではないけど海近いし。
白塗りで髪長いし。
変な着物とか着てるし。
夜中だし真っ暗だし、なぜこんな所から呼び出す?等々。
お化けと思い込む材料が揃いすぎてて一人ひそかにウケてました。私たち面白すぎる‼️と。
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そんなお化け女ズのビジュアルを、あの最悪のコンディションでの撮影だったにも関わらず、素晴らしく魅力的に仕上げてくださったKeine氏のセンス…凄すぎます。
1枚目が撮って出しのサムネイル。
…次回につづく。