シリウスへの翼~瑠璃色の雫~#23 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

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J事務所所属、気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります

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     「ううっ・・・・あ・・・っつ・・・」



(・・・・・・・?)



     「止めてくれ・・・・もう、撃つな・・・」



(潤・・・くん?)



     「はァッ・・・・っく・・」



「じゅ・・・・・」



     「兄ちゃん・・・・」



「・・・・・・・」



あの日からもう1か月が経った

司は緊急手術の後から、まだ一度も目を覚ましてはいない
潤は最近こうして悪夢に魘されては何度も何度も涙を流してた

おいらの隣で悪夢に魘され続けてる潤の眉はキツク寄せられ
冷や汗を流しながら苦しそうに自分の服の胸を掴んでる

ぎゅっと閉じられた瞼の端から
一筋の涙を流しては司の名前を繰り返し呼ぶんだ



(潤くん・・・ごめんね、全部おいらのせいだ)




     「兄ちゃん・・・司兄ちゃん・・・」





(おいらが捕まったりしなければ・・・
 おいらを庇ったりしなければ・・・
 こんな事にはならなかったのに・・・・ごめん)




     「うァっ・・・は、あァァッ・・・止め・・ろ・・」




「じゅ・・・ん・・・」




苦しそうに顔を歪める潤にそっと手を伸ばして
流れ落ちる涙を指先で拭ってやる
そしてそのままその頬に触れてやると
ちょっとだけ安心したような表情になるんだ



「大丈夫・・・、此処に居るよ?」



     「・・・・・・、兄ちゃ・・・ん・・・・?」



「何も心配しなくていいから
 潤が傍にいてほしいと言うなら・・・・ずっと傍にいる」



     「・・・・・・・」



「だからゆっくりお休み?」



     「・・・・・・・、すぅ・・・・・」




「・・・・・・・・」




(ごめん
 ホントにごめん・・・
 今のおいらにはこんな事しかできなくて・・・)
 


服の胸を掴んでいた手が緩むと
そのままその手は力なくダラリとベッドへと落ちた
おいらは静かに潤のベッドへ潜り込み
その手をそっと握って寄りそうに眠ってあげる
そしたら潤はまるで子供の様に甘えてきておいらの胸に顔を埋めるんだ



(ふふっ・・・可愛い
 暖かいな~何だかおいらも安心する
 人の温もりってこんなに幸せになれるんだね・・・・)



     「う・・・ん・・・・・、ふぅ・・・」




(・・・・・・・)




空いているもう片方の手で潤の髪を優しく撫でてやると
その感触が翔くんを思い出させる
同じベッドで眠る幸せや
熱い想いを伝え何度も確かめ合ったあの日々・・・



   

(翔くん・・・・・)





     「・・・・・・・」




(今、君は誰とこうして温め合っているのかな?
 もしかして・・・まだおいらの事、待っててくれたりするのかな?
 でも、もう戻ることはできないね
 だって裏切ってしまったのは・・・おいらだ・・・)




     「・・・・・すぅ、・・・すぅ・・・・」



「 ・・翔・・くん・・・・・ 」




     「・・・・・・・・」





。。。。。。。。




     <残念だがそこまでだ・・・>




そう言いながら片手に銃を持った男が
再び闇の中から姿を現す



     <・・・・・・・。
      お前もサトシが好きなのか・・・、ジャンと同じ目をしやがって・・・>




     『・・・・・・、悪いが一緒にしないでくれないか?
      俺はもうずっと昔からこいつの事しか見てないんだ
      好き・・・?違う俺は智を愛しているんだよ・・・
      誰にも負けない程にな・・』

 


。。。。。。。。。  



!!!?




そうだ、あの時・・・・
アイツと対峙したあの時、司は確かにこう言った



(司が・・・おいらの事を・・・?)



まさか・・

あの時から今までずっと・・?



でもあれからもう何年たった?



「・・・・・」



確かにおいらだって今でも司の事は大好きだ

頼りがいがあるし優しいし・・
あの時は本気で司の傍にいたいと思っていた・・



でも・・・




その<好き>は翔くんのソレとは違う
それだけは分かる・・・




司、ごめんね・・・




おいらやっぱり





翔くんしか








愛せない














。。。。。。。。。。。




     「大野さん」



「・・・・・?」



     「大野さん起きて?」



「・・・・・ん?あ・・・えっ?」



     「朝ごはん出来てるから一緒に食べよう?」



「・・・・・うん」



    「さ、早く起きて?スープが冷めちゃうよ」



「う・・うん・・・」



目の前で優しく微笑む潤くんは
おいしそうな香りがするダイニングへと続く扉を開けて
おいらが来るのを待ってる



     「今日はね、大野さんの好きなオムレツ作ったんだよ?」



「ホント?」



     「だから早く起きて?」



「はーい♪」



     「ふふっ・・・、はい・・・」



潤くんがおいらの方へその手をそっと伸ばしている
おいらはベッドから抜け出しその手を取った



グイッ!!



次の瞬間、潤がおいらの手を強く引く
思わずおいらは潤の胸に飛ぶ込む形になってしまった



「わっ・・・・!危な・・・・・」



     「・・・・・・・」



ふわり・・・とおいらの身体を大きな腕が包み込む



「潤・・・くん・・・?」




     「ごめん、ちょっとだけこうさせて?」




「・・・・うん・・・」




     「・・・・・・」




潤を最後に見たのは高校3年の卒業式の時だ
それから6年・・・
今、おいらを抱き締めている腕はもう大人の腕で
鍛えていたからか胸板も厚くとても逞しい身体になっている
もうお互い学生の頃とは違うと感じさせる

空白の6年の間に
1人の少年は立派な大人の男になっておいらの前に現れ
そして今、その腕に抱き締められている
潤の身体から司によく似た香りがする
ホッとするおいらの大好きな香り・・・



「・・・・・・」




     「大野さん・・・・」



「ん?」




     「・・・・・、ありがとう」




「・・・・、うん・・・」





そういうと潤くんは身体を少しだけ離し
見上げたおいらの顎を長い指でそっと掬い上げ

おいらの唇に小さくキスをした・・・