シリウスへの翼~瑠璃色の雫~#02 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

J事務所所属、気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります

.


フランスにいる兄貴と連絡が付いたのは
1学期の終業式の日だった

思っていた通り
兄貴は大野さんの事を既に知っていて
秘密裏に色々と調べてくれていたようだった

俺は日本での状況を話して聞かせた
そして俺たちも自分の目で確かめたいと・・・
でも兄貴は危険だと言ってきたんだ



「・・・・?なぜ?どうして危険なの?」

   
     『俺の推測が正しければ、相手はかなりヤバい奴だ』


「ヤバいって・・・どう言う事?」


     『・・・・・・・。
     自分の欲望の為なら、何をしでかすか判らないような相手』



「そこまで判ってるんだ・・・」


    
     『違う。そこまでしか判らないんだ・・・
      しかもこれは俺の推測でしか過ぎない、確実じゃない・・・』



「でも俺、自分で確かめたいんだ!
 頼む兄貴・・・頼むよ・・・・」



      『・・・・・・・。
       潤・・・・、分かった。』



「ありがとう。ごめん、無理言って・・・・」



      『・・・・・・・、その代り条件がある。
       全員、こっちに来るまでに課題を全て終わらせる事
       雅紀くんも、和くんも全員だ、いいな?』



「うん・・・分かった」



      『じゃあ、こっちに来る手筈が整ったら連絡くれ
       迎えに行ってあげるから・・・』


「ありがと・・・」


俺はこのことを2人に伝え
全員7月中に夏休みの課題をすべて終わらせた
そして3人揃ってフランスへと旅立つ準備を整える
8月は目一杯フランスに滞在するつもりだったから



どんな小さな事でもいい


貴方の事が知りたい


あの笑顔をもう一度みたいんだ


もう一度・・・・






。。。。。。。。。。。。。。。。。。




     『さ、これから君たちは此処で過ごしてね?』


「兄貴はどうするの?」


     『さすがにこの部屋に男4人はキツイから
      俺は友達のとこへ行くよ、俺のことは気にするな』


「ごめん・・・」
「すいません」
「すいません・・・・」


     『そんな事より、いいかお前ら』


「「「!?」」」


     『さっき話した事だけど、ちょっとでも危ないと思ったら止めるんだぞ?
      俺の推測がもし本当なら相手はかなりヤバい奴なんだ
      フランスでは権力もあるし金もある、警察上層部にも顔が利くくらいだ・・・』


「「「・・・・・」」」


     『巻き込まれて何かあってからじゃ遅い
      自分の身は自分で守るんだ・・・いいな?』


「「「 はい 」」」


     『じゃ、何かあったらすぐに連絡くれ
      俺も探ってみるから・・・くれぐれも慎重にな?潤、焦るなよ?』


!?
「うん。ありがと・・・兄貴」


「ありがとうございます」
「ありがとう・・・」


      『じゃぁな・・・』




パタン・・・


兄貴はそう言うと軽く微笑みながらドアを閉めた
俺たち3人は荷物を置きホッと一息つく

そして皆、黙ったまま考え込んでしまった

重い空気と沈黙が続く


そんな空気を蹴散らしてくれるのはやっぱり相葉さんだった・・・
何処からともなく聞こえてくる不思議な音

よく聞くとそれはソファーに座っていた相葉さんから発せられていた


ぐぅ~~キュルキュルッ・・・

!?
「相葉さん?もしかして・・・・」


       「・・・・・・・・」
       「そうみたいです・・・」


「ぷっ・・・・、まじかよ」


      「だって、腹減っちゃったんだもん・・・」
     

「・・・・・・・・」


      「だそうです・・・」
      「・・・・・、ごめんって~」


「ふふっ、何か食べに行く?
 ついでに食材も調達しておこうよ」


      「そうですね、そうしましょうか」
      「オッケーい!じゃ行こう!!」


「はいはい・・・」


俺たちは軽めの服に着替え街へ出た

歴史的建造物が立ち並ぶパリは訪れる者を圧倒させ
あっという間に虜にさせる
街全体が不思議な魅力で包まれていた

少し歩ていると可愛いリストランテがあったからその店に入り
軽めのランチを食べた

クロワッサンにハムとチーズを挟んだカスクートと
野菜スープ、それとお決まりのカフェオレ

相葉さんは元々小食の和が残したパンを貰い
美味しそうにむしゃむしゃと頬張っている

その横で和は苦笑いをしながら小さくため息をついていた

    
     「美味しかった~、もうお腹いっぱいだよ」
     「そりゃ、私の分も食べたんだからそうなるでしょうよ」
     「だって、残したらもったいないでしょ?」
     「確かにそうですけどね・・・」
     「いいじゃん、いいじゃんっ!ね?元気じゃないと何も出来ないよ?」


「確かに・・・相葉さんの言うとおりだよね」


     「ほら~。潤くんだってこう言ってるし・・・」
     「・・・・・・」


「でも相葉さんは、ちょっと食べ過ぎ」


     「ぷっ・・・・、ほら怒られた・・・」
     「え~?何で?”腹が減っては戦はできん”って言うじゃない~」  


「おっ!?良いこと言いますね?」

  
     「珍しい・・・」
     「・・・・・・・、怒るよ?(笑)」


「はいはい。
 じゃ,腹も一杯になったことだし
 少し街を探索してから食材を買って帰り、家で作戦会議をしようか」


      「はい・・・」
      「オッケイっ!」


食事を終えた後、店員さんに一番近くあるマルシェの場所を教えてもらう
店を出て3人でその場所まで出向き、2~3日分の食材をまとめて買った
持参していた地図を片手に街並みを確認しながらゆっくりと家へと戻り
テーブルを取り囲むように座りながらこれからの作戦会議を立てた



そして翌日から行動へと移す
出来るだけ目立たないように気を付けながら・・・


焦らずゆっくりと外堀を埋めるように調べていく




ところが
こっちに来て2週間が過ぎた頃
大きな壁にぶち当たり
俺たちは身動きできなくなってしまう

フランス警察が・・・俺達の動きを封じてきたんだ


その事を兄貴に伝えると「急いで日本へ帰れ」と指示され
慌ててチケットを手配し逃げるようにフランスを後にした



悔しかった

今の自分たちに出来る事なんて
何もないんだと痛感させられた


「・・・くそっ・・・」




早く大人になりたい




・・・・、違う・・・・




早く大人にならなくちゃいけない




貴方を見つけるためには





今の俺には力がなさすぎた・・・・