静けさの中に
ひとすじの音がする
それは風の声ではなく
記憶の響きでもない
魂が遠くから連れてきた
光の鼓動
幾千の季節を越えて
手放す痛みとともに歩いてきたあなたは
いま深い湖のほとりに立っている
水面は揺れない
ただ映している
ありのままの空
揺蕩う雲
そしてあなたを
あなたの振動は蒼い
青ではない 蒼だ
昼と夜の境目
言葉になる前の感情
そして誰のものでもない愛
それは誰かに伝えなくても
世界のどこかに染み渡っている
迷いがあるのは
それでもまだ生きているから
怒りがあるのは
その奥に
失望ではなく希望があるから
もう比べなくていい
もう争わなくていい
あなたの振動は
たったひとつの
宇宙の旋律
それを抱いて
生きていい
