先日,自分の過去について振り替えってみた。
自分が最も思い出せる記憶,黄色いおしゃぶり,土壁の家,歩行器。きっと2,3歳のものだろう。
それから,初めて外の世界へ飛び出した瞬間,幼稚園。初めて出来た友達。彼は,名前も思い出すことができないあの人は今何をしているのだろう。
桜,薄い桃色の花びらの先に立つ,制服を来た女の子。
焦げたような木の香りがする廊下。
......
僕にとって本当に大切だった時間はいつだったのだろうか。初恋。友と過ごした日々。なりふり構わずに努力しこと。挫折。仕事をしていること。高い山の上から見下ろす遥か先まで広がる雲の絨毯。友の死。多くの人との別離。
今振り替えってもう一度戻りたいのは,大学受験に挑戦していた時だ。その時は,嫌でたまらなかった。勉強しなくてはいけないと思う気持ちと,逃げ出してしまいたいと思う気持ちとの葛藤の日々だった。結果は,成功とは決して言えないだろう。でも今思えば,あの頃に戻りたいと切に思う。なぜだろうか。
それは,未来があったからだろう。輝くような,眩しくて,鮮やかな未来が。
大学に行ったら,都会での生活が待っている。新しい世界が待っている。いろんなことに挑戦したい。このうんざりするような生活から逃げ出すことができる。
僕には未来があった。クレヨンで描いたような,単純で安っぽい希望があった。
もう一度未来を描こう。自分が本当に望んだ未来を。
小説家を目指しています。
