エイプリルフールからはじまった一週間のニジンスキー公演おつかれさまでした☆
サボり続けていたブログをしれっと再開…したくなる程に、ニジンスキーでは書きたいことがたくさんです。
「わたしには兄が2人おりました
上の兄の名は スタニスラフ
下の兄の名は ヴァーツラフ
ヴァーツラフ ニジンスキー!」
というニジンスキーの妹ブロニスカ(ブローニャ)役、安寿さんのよく通る声からはじまったステージ
たいちゃんの役は一番上の兄、スタニスラフ(スラーヴァ)
6才で心を病み、母親の手におえなくなると病院(収容所)に入れられ31才で亡くなったというお兄さん。
様々な要因で心を病み始めていたヴァーツラフ(ヴァッツァ)は、スタニスラフが亡くなったと知ったのをきっかけに発狂し二度と踊れなくなるっていう…
何の予備知識もないまま初日観劇
必死にキャストの名前と年系列とを意識しながら観ていたのですが、たいちゃんが一番上の兄役とわかったときはビックリ!
でも、生い立ちやこの舞台での役割を知っていくと思った以上のハマり役
この…たいちゃん、リーダー、安寿さんの3兄弟を考えてキャスティングしたのってすごいなぁと。
真っ白いシャツの中でぶかぶかに泳いでしまうくらい細い身体
薄い色素の髪が儚さを増していて、どこか虚ろに宙を見つめているかと思ったら突然鋭くなる瞳も印象的
1幕ではヴァーツラフの狂気の象徴といった要素がメイン?
スタニスラフがジャケットを肩にかけながら車椅子に座り、入れ替わりでヴァーツラフが車椅子に座るシーン
ここでの時折ヒクッと震えて焦点の合わない目でどこかを見つめる、おぼつかない足でふらっと歩むたいちゃんの演技にゾクッとしました。
ヴァーツラフのオレンジを手にするシーンだったり、この車椅子のシーンだったりで
ヴァーツラフ演じるリーダーと、彼の若い頃を演じる風海くん、そしてスタニスラフのたいちゃん。
この3人がシンクロする演出になっていて、ヴァーツラフの未来(心を病んでからの)の姿がスタニスラフなのかなとも考えました。
3人でヴァーツラフの一生を表してるようで。
それか、病んだ人間のフリをスタニスラフを真似して演じているという解釈なのかな…?
そして、1幕ラスト、徐々に狂い始めていくヴァーツラフの苦しみを表現するかのように踊りだすたいちゃんも怖かった…
虚ろな表情で奇怪な動きをするので><
でも、怖かったけど…すごく好きなシーンのひとつです。
2幕ではスタニスラフとしての存在感がたっぷり
始まってすぐディアギレフ役、岡さんの素晴らしく上手い歌を聴いていると、スタニスラフのふわっと柔らかく甘い声が飛び込んできました。
「ヴァッツァ、君と僕とブローニャの3人で、よくペトルーシュカごっこをしたよね」
(ごっこ、とは言ってないと思うけど、わたしの中ではペトルーシュカごっこしてたんだなぁ、っていうイメージ笑)
初日に観たときは、まだ病む前の幼いスタニスラフが話しているのだと思っていて、次に観たときに違うな…と。
大人になったスタニスラフが懐かしい思い出話をうっすら笑みを浮かべて話すような、そんな口調
「ペトルーシュカはワラでできた人形…中に詰まっているのは、ただのおがくず…」
ここで車椅子に座っている人形の中(心臓?)からグッと中身のおがくずを取り出すような手の素振りを見せるのですが、楽しげな柔らかい口調から一瞬狂気じみた、空っぽの人形を嘲け笑うかのような声に、ほんとうに僅かな違いなのですが声色が変わって、とにかく怖い><
そう思うと、さっきまで柔らかいと思っていた声も、楽しげであればあるほど怖さが増すというか…
そこからペトルーシュカの踊りへ
表情を持たない人形の動き、すごく好きなんです。
ヴァーツラフが踊ったと言う道化の物語
最初のところをたいちゃんが黒い布を頭からかぶって踊ります
布から僅かに見える金の前髪が…かわいい\(^O^)/
ここはかわいいと言ってしまっていいのかわからないですが、かわいかったんです笑
ぱたぱたぱたっと小刻みに走り込んできて道化を演じてくれます。
ペトルーシュカと同じように、少し人間離れした振り付けの動きが好きらしいと自覚しました笑
そして今回一番驚かされたし、感動したスタニスラフの死へと導かれるシーン
兄、スタニスラフが亡くなったという知らせがヴァーツラフのもとへ届いた。というようなロモラの語りから…
舞台セットの壁からひょこっと横向きに顔だけを出しての登場
何も知らないで観ていた初日は、この登場にホラー映画(主人公が振り返ったら見ちゃいけないものを見ちゃった!状態)を思い出してしまって、リアルにビクッとなったわたしです><
スタニスラフの白い袖は異様に長く、その先には死神の使者が2匹まとわりついていて、逃れようにもその袖が巻きつき邪魔をして逃れられない
迫る死というものに次第に苦しさと狂気の混ざっていく表情が辛いです。
最終的に死神(風海くん)から黒い布をかけられて死の宣告とばかりに口付けを受けると、悲痛なまでの叫び声をあげならか引きずられていく
最期の最期、壁にぶつかってまでも、生にしがみついた姿が痛々しくて…
この舞台中ずっとふわふわとした存在だったので、ここでようやくスタニスラフもこんなにも強い感情をもったひとりの人間だったんだって思い知らされ、涙がでそうでした。
余談ですが、後々にペトルーシュカの物語をウィキってみたら…ペトルーシュカも殺されてしまった後に魂が現れて、やりきれない想いの断末魔をあげるんですね。スタニスラフの最期と重なってとても切なくなりました。
たいちゃんの新境地
本人も見ないとそんそん(∵)とかわいらしく言っていましたが笑
今まで天真爛漫☆明るくて元気で夏っぽくて…そんな役が多かっただけに、今回の役作りはとても大変だったんじゃないかと思います。
病んだ役って精神面で非常に辛くなると思うので…普段ポジティブなたいちゃんだけに><
でも、昨日のブログを読んで、たいちゃんにとって得たものが大きな舞台だったようで、安心しました。
ただ、千秋楽カーテンコールでのリーダーが
「たいすけは今回新しい役に挑戦して…最初ふざけてるのかと思って、一度怒っちゃったんだよね。そしたら真面目に役作りだった」
っていうエピソードの暴露、忘れられません><
仲が良い二人だからこそ言えるエピソードですよね笑
きっと試行錯誤しながら作り上げてくれたんだろうなって、DIAMOND☆DOGS2年生の最後にまたまた大きな成長を見せてくれたようですごく嬉しかったです。
ちなみに、千秋楽の4月8日はヴァーツラフ・ニジンスキーの命日だったそうです。
わたしも丁度前日あたりにニジンスキーについて調べてて知りました。
わかってて、あえてのこの公演日程なのかと思ったら、どうやら演出家さんも知らなかったそうで、こんな偶然も何かの運命ですかね。