空想旅行記
『月のまち』
静かな月夜に、そっと目を閉じて、横になる。
すると、身体という重い荷物を置いて、身軽な旅行を楽しめることがある。
閉じた瞼から少しだけ明るく透ける月光を頼りに、空への階段を探す。
とても見えにくい、暖色系のオーロラ色をした薄い階段。
物質という不確かなものでできていないぶん、頑丈で、踏み抜いてしまうようなことは万に一つもない。
春の暖かく心地よい風を感じながら、ひとつひとつ、階段をのぼってゆく。
町明かりが、だんだんと遠くなってゆく。
眩い星が幾千と散りばめられた、静かだけれど賑やかな紺の世界。
そうして星の海を抜けると、やがて黄色の柔らかい光に包まれる。
月への到着である。
光を抜けた先には、ゴツゴツとした地面と、白く輝く石造りの街並みがあらわれる。
町の建物は薄く光を帯びた特殊な月の石で作られ、地球からは発見できない。
空には星が無数に瞬き、その星明かりと白い建物とで、夜のような昼間のような、不思議な空間を作り出している。
建物の隙間にある、小川のようにくねる小道を抜けていくと、大きな広場が現れる。
そこでは、古代ローマのような、生地をたっぷりと使った白い服を着た子供たちが駆け回り、広場の中心にある水辺では、恋人たちや旅人が休憩している。
賑やかな光景だが、囁くような独特の響きを持つ月の言語のせいか、騒がしくはない。
そこに座り、水に手を浸すと、なんとも言えない心地よさに満たされる。
すべての疲れを溶かしてくれるような、そんな柔らかさを感じた。
さて、そろそろ時間だ。
また、光を抜け、星の海を通り、薄い階段を降りて、地球に戻る。
このすばらしい旅行を、忘れないうちに書き留めておこう。
幻であろうとなんだろうと、出会ったものの美しさは魂に蓄積する。
記憶の底からすくいあげて、また眺めることのできるように。
人生には美しいものと美味しいものとが必要だ!
…ということで、日ごろの鬱憤を晴らすため、中世ヨーロッパの教会を再現したレストラン『キリストンカフェ』に行ってきました!
入り口。
大きなケースの中に、教会とキリストの像が。
もうこの時点でたまらない感じです。
店内の中心には、ステンドグラスが無数に嵌った大きなシャンデリアが鎮座していました。
色々な大きさの十字架と天使がチェーンで垂れ下がっていて、なんだか心臓のよう。
そして至る所にステンドグラスや大きな鏡があり、天井には豪華な絵が描かれていました。
壁はところどころひび割れ、染みが広がっています。
まるで時を止めた中世の教会が一夜だけ息を吹き返したような。
もしくは、廃墟と化した教会に蝋燭が灯され、夜の生き物たちのパーティーが行われているような、清らかな美しさとダークな妖艶さが混在しております。
今日はなんちゃって貴族ファッションで行ったけれども、いつかもっとちゃんとしたドレスで行ってみたい!
コース料理を注文しましたが、お味もとっても美味しかったです!
次の料理が出てくるタイミングも完璧。
本日一番気に入った一杯です。
その名も『薔薇中毒』。
すてき!
ぜひまた行きたいです。
美味しいご飯と耽美な空間を味わいたくなったらここ。







