私は毎日NHKの朝ドラ「マッサン」を観ている。
それを観て興味深く思うことがある。
それは、玉山鉄二演じるマッサン(ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏がモデル)と、堤真一演じる鴨井商店社長(サントリーの創業者・鳥井信治郎氏がモデル)のウイスキーに関する考え方の違いである。
ストーリーは以下のようなものである。
鴨井商店のウイスキー醸造所所長であるマッサンは、スコットランドで学んできた自分が美味しいと信じるウイスキーを作りたいと願うが、本来熟成期間が5年はかかるところを、会社の経営上、社長より4年での出荷を命じられ、その中でマッサンは最も良いと判断するブレンドを施し、売り出した。
これが日本初の国産ウイスキーである。
しかし人々には「不味い」と評価され、ウイスキーは全然売れない。
そこで社長は日本人の好みに合うように、ウイスキー独特のスモーキーフレーバーを弱くブレンドするようマッサンに命じるが、自分の信念を曲げたウイスキーを作りなくないマッサンはそれを拒否したところ、ウイスキー醸造所所長から営業に異動させられる。
…というものである。
私が特に興味深いのは、マッサンの人々には受け入れられなくても自分が良いと思うことを貫くという考えと、社長の多くの人に受け入れてもらえるように自分の信念とは違うことをするという考え、このせめぎ合いである。
私が思うに、この2つはどちらも正しい。
多くの人にウイスキーを買ってもらわなければ日本にウイスキーは広がらず、事業としても成り立たない。
しかし、それだけでは日本のウイスキー作りに進歩はなく、結果として人々は本当に美味いウイスキーを知ることができない。
私は合唱音楽について、都会で研鑚を積み、田舎で身を持って体験しているが、全く同じように感じる。
おそらく他の分野でも同じように感じる人は多いのではないかと思う。
ちなみに来週の「マッサン」は、社長の意見に従うことにしたマッサンは醸造所所長に戻るが、自分としては不本意なウイスキー作りをすることに苦しむようになり、その後独立を目指して退社するというストーリーのようである。
