/飛行(呑み込まれた殺意と朝に)
鋭利なつばさで
Bは空を広げ
冷えた水蒸気を肌に
震わせ
飛んでいるうちは
出逢うこともない
耳を裂くように
アラームが鳴り
開ききった瞳孔の
中に描かれていた
昨日の、
視線がぶつかる
間違いを笑い
正しくてのひらを
ひらいて
ほら、まだあたたかく
あなたを待っていると
闇は膨張し、光を追った
空想のざらつきと・・・・
×
無名の脚が散らばる
とくとくと高鳴るもの
体温はコンクリート
の中へと沈み発芽を黙る
命のいたみのような?
そう、ただ佇み
今日もあなたは奪えない
雨音が鳴る日は ・・・・
実に美しく歌い上げていた
Bはアッウ、ウラウド、
アウン、(Tu m’)
色彩をとりもどしてゆく
街から街へ街から
「whale song」
