水俣病患者の写真を思い出しながら、少し、重い気分で映画館に入りました。

 いや、恥ずかしながら、水俣病患者の写真を世界に発信したのは、アメリカのカメラマン、ユージン=スミスだった、と初めて知りました。そのことを描いた作品で、ドラマ性がしっかりとあり、感情移入を求めるものとなっていました。

 

 チッソという会社は、悪名高い野口遵創立の日本窒素コンツェルンをもととする日本窒素肥料という会社だそうな。水俣病患者の運動を警察を使って暴力的に弾圧し、ユージン=スミスを”お金”で黙らそうとし、それに失敗すると、彼が撮影した水俣病患者のネガフィルムを盗み彼の現像所に放火、さらには抗議活動を撮影するユージン=スミスに激しい暴行を加えるなど、戦後日本の出来事とは思えない悪逆非道の限り。

 少し前に観た韓国の『サムジン=カンパニー』は、明らかに、チッソ水俣工場の汚染水垂れ流しをモデルにした作品で、『MINAMATA』の工場排水口の写真とほぼ同じ場面が描かれていました。それだけでなく、会社側の悪逆非道ぶりも描いていましたけど。

 

 最後のエンドロールでその後の今でも続く各国の公害被害を画像で紹介していたのですが、アメリカ・フリント市の鉛による水道水汚染も取り上げられていたのは、興味深かったです。これは、マイケル=ムーア監督の映画『華氏119』でも取り上げられている公害です。当時のオバマ大統領がフリント市をわざわざ訪れ、公害反対運動をしている住民の集会で、工場排水を飲むパフォーマンスを『華氏119』は描いてました。民主党支持者のマイケル=ムーアが、オバマのペテン師ぶりを映像で告発しました。ああそうか、『MINAMATA』の監督も、オバマのペテン師ぶりをもう一度、確認しているんですね。