57・庚申

 

干支はよくできていて、見るからに強そうだなと感じさせる干支には安定するエネルギーが与えられています。

 

天将星は精神干(水と火(土))で夏と冬の精神支にしかありません。

天禄星もここにある4つだけで、現実干(木性金性)と現実支(春秋)によって構成されています。

 

中でも庚申は、旺地の刀というイメージからすると、暴れそうな干支ですが、天禄星がそれを抑止する働きをします。

 

庚は「専制思考」といって、見かけは冷静ですが、実質は感情型の気質です。

自分が仕切りたい本性があって、協調性はありません。

生ぬるい環境では満足できない人ですが、刀は常に自分に向ける刃で、外には正義を貫くスピリッツが現れます。

戦うための精神力が備わっていて、間違いを看過できない正義感があります。

 

融通も人の意見もきかない人です。

安定より変化を求める。これを抑止するのが天禄星の働きです。

 

こうした庚の性質がもっとも顕著に表れるのが庚申といってもいいでしょう。

 

『孤独の中にあると闘争の世界に進み、衆に囲まれると守備力が強くなる』

 

庚申の干支意味の冒頭に出てくる言葉。これが庚申をよくあらわしています。

天禄星は内側(自分と身の回り)に傾斜する傾向を持っています。

家庭や子供、自分が関わる組織などを守ろうとするエネルギーです。

 

周りに自分が関わる人がいるほど、「守備力」が強くなって、自分のエリアを守る生き方になります。

もし、守る人を持たないと(孤独の中にあると)、正義の刃になって、外の問題を正すような戦う人になる可能性があります。スポーツでは戦う刃です。

 

古典の庚申のイメージは、この強さとはちょっと離れた部分が強調されています。

通称「果物を食べているサル」です。


・手先が器用で、技芸の世界で才能を発揮する。
・財運もあって、能力がお金に結びつく。
・特別意識が強く、人を軽んじるところがある。
・何事も自分の決定にこだわりを持つので協調性は薄い。
・人間関係では、ぶつかることもある。

 

一見社会活動が難しそうな干支ですが、器用さと能力と、そして人情で居場所を見つけて行きます。

 

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