CSO原作小説 ―Zombie World―

CSO原作小説 ―Zombie World―

Nexon運営のCounter Strike Online。
このゲームをモチーフとした
対ゾンビ軍の戦闘の様子を描いた
ホラーコメディ小説となっています。

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 ―そう言われた瞬間、
  俺はもうこの人生が終わりそうな予感がしていた。

 その予感は見事…ではないが的中した。


 アクセルの後ろにいたのは奴だった。

「伏せて!」
拳銃の銃口をこちらに向けて叫ぶリツカさん。
指示通りに伏せると奴の頭に銃弾がぶち込まれた。


「ふぅ・・・危なかったわね」
「ありがとうございます」

静寂が起こる。俗に言う気まずい空気だ。

俺はかなり重かった口を開けた。
「あの...」
「何?」
「まだここ探すんですか?」
「2階行く?」
「あ…はい。」

とてつもなくぎこちない会話だった。

そしてリツカさんは階段へと歩き始めた。
俺もついていくと階段にはたくさんの亡骸が微動だにせず倒れている。

「こいつら…まだ生きてるかもしれないから頭にぶち込んで」
「ぶち込むって…」

するとリツカさんは無言で頷いた。
なんだろう。急に無口になったというか口数が減ったのは気のせいか?
そう言いながら俺とリツカさんは魂の抜けた肉の塊に刺し込む。
また魂が宿るかもしれない…


階段にいた亡骸全てがもう現世に戻って来られなくなった。

2階へ上がると「実験体安置室」と書かれたプレートの下がった大きな部屋が最初にあった。
何やら頑丈なバリケードが張ってある。
「はがすわよ」
冷静すぎる声だった。

部屋の中からドアを壊すような音がするのと、ドアに少し亀裂が入ったのは気にしないでおこう。
バリケードはうまく剥がせず、ドアの亀裂もひどくなってきた。


リツカさんは気づいていた。銃を構えていた。
俺もその動作を真似るようにして銃をドアに向けた。


しばらくすると悪夢の始まりを告げる音がした。
破られたドアからは想像を絶する数のゾンビが出てきた。


「あら…そっちからお出迎えなんて光栄だわ」

リツカさん…そこはジョークをかますべきではないかと…
「いいわ、逃げるわよ、アクセル」

小声でつぶやいた。

そして彼女は2階のさらに奥へと走った。
リツカさんについて行きながら後ろを振り向いたがゾンビの数が絶える気がしない。

無限に湧き続けるゾンビ。
その数に反比例して減っていく弾丸の数。


支給されている弾丸は限られているため無駄には出来ない。

一発も無駄にせず、正確に弾丸を撃ち込む。


少し遠くにいるリツカさんが何かを見つけ叫んだ。


「防火シャッターがあるわ、これでゾンビを遮ることができる!」


これで無限のゾンビから逃げられる・・・

そして彼女に追いつくとリツカさんはスイッチを押した。

ゾンビたちと俺たちの間にシャッターが降りる。

防火用なためかかなり分厚い。

これで奴らも壊すのに手間取るだろう。

その間に他の部屋に奴らがいないか確認をしに行く。


次は―薬品庫か。


そして薬品庫に入って奴がいないか確認する。

すると部屋の隅にうずくまった人影が見えた。


俺とリツカさんは恐る恐るその人影に近づく。
 
       To be continued...


―ゾンビ殲滅部隊 Zombie Annihilation Team


ここが、今日から俺が所属する軍隊になるのか。


まさか日本の自衛隊からこのZATに所属されるなんて。


俺は「アクセル(Axel)」というコードネームを持っている。



2年前に中南米某国にて死者がとある病原菌によって蘇り、


自発的意志を持たない人間、もといゾンビとなり


世界規模のパンデミックを起こし、主に中南米において感染を拡大させた。


その際、世界各国の政府はZ.A.T軍を立ち上げたのだ。


そして俺はZ.A.Tに所属された。 俺は中南米支部第3部隊に配属される。


もうそこには赤黒い血と人々の未練しかなかった。

中南米はほぼゾンビで埋まっている。


Z.A.T中南米支部は主に感染媒体を殲滅させる事、

生存者の救出を主な任務としている。


まだ日本は至って無事なようだ。感染が起こらないことを祈る。



俺は第3部隊に配属されたため、支部の5階に向かうことになった。


―この部隊は、ジェラード隊長、ナターシャさん、リツカさんと自分の4人で構成されている。


5階の階段を上り終わると、「第3部隊フロア」と書かれているプレートがある。


すると、茶髪にオレンジのジャケットを着た男がこちらを向いた。


ジェラード「お、キミがアクセルか、俺はジェラード。よろしくな」


そう言った彼は僕をどこかに案内してくれた。


「・・・ここは?」


「ここか?第3部隊室だよ。第3部隊員はここにいるんだ」


そしてジェラードは部隊室のドアを開けると、


緑色の服に身を包んだ、新雪のような色の肌をしたブロンドヘアの女性がいた。


「・・・あら?あなた新入り?」


「あっ、はい、宜しくお願いします」


「私はナターシャよ。前まではロシア軍で狙撃兵をしてたんだけど…」


彼女は悪夢を思い出したかのような目をしている。

やはりロシアもパンデミックが起こったのだろうか。


するといきなり鼓膜がはち切れんばかりのベルが鳴り響く。


ジェラード隊長は叫んだ。

「出動要請だ!」


まだ入隊して間もないのにもう任務が始まったか。

・・・なんて事を考えていたらいきなり放送用スピーカーから男の声がした。


「XX地区の大規模化学研究所にてパンデミック発生。

 感染媒体が人間を襲い、死者が2名の模様。

 第1部隊は研究所の封鎖を、

 第2部隊は生存者の探索及び救出、

 第3部隊は感染媒体の殲滅、

 第4部隊は無線連絡・司令を行え」



「くっそ・・・俺らが殺すのかよ・・・」

隊長が唇を噛んでいる。


「えっ、ちょっ、どうすれば・・・!」


まだ何も分からない。そうしておどおどしていると、

ある女が俺に声をかけた。

「私についてきて!」


「はい!」


彼女は階段に向かった。


「あの、あなたは?」

そう尋ねると階段を素早く鳴らす彼女が答えた。


「私はリツカ、第3部隊の隊員よ。挨拶が遅かったわね、よろしく!」


この人がリツカさんか。

どうやら彼女の話によると、2階には武器庫があり、ここで装備を整えるそうだ。


「武器はここよ、あなたはこの武器を使いなさい!」


―そう言って彼女に渡されたのは、M3サブマシンガンとデザートイーグルだった。


「おい、新入り、こっちだ!」


そう叫んだジェラード隊長に着いて行くと、大きなヘリポートとヘリコプターが4台あった。


「よし、乗るぞ!」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


―そして30分後、任務地点となる大規模化学研究所に到着した。


研究所は大きく分けてA,B,C棟の3棟がある。


すると右肩に掛かっている無線機から少し聞き取りにくい声がした。


「ビビッ…こちら第1部隊、研究所全棟を封鎖した!」


「じゃ、A棟は俺がいく!ナターシャはB棟、アクセルとリツカはC棟に向かえ!解散!」


そう叫んだジェラード隊長は鮮血に染まった建物へと走っていった。


するとリツカさんが少し緊張した声で、


「行くわよ。私の知ってる範囲だけど、C棟は実験体が保管されている一番危険な棟よ。」


実験体・・・ということは奴が一番・・・

「リツカさん、そんな所大丈夫なんですか?」


「私がいるから大丈夫よ、なめんじゃないわ」


「・・・ハイ」


そしてどうやらC棟と思われる建物に到着した。

見るからに科学所と分かるような外装だが、入り口あたりはやはり血で染まっていた。

入り口に入る前から血の匂いや腐敗臭、色々な匂いがしたのがわかった。


真紅に染まったドアの持ち手を蹴り開けたリツカさん。


すると少し速い足音がする。いきなり・・・奴か?

そして俺はリツカさんに話しかけようとすると口に指を立てて、「静かに」の合図を取った。


やがて向こうから人影がやって来た。足音の正体は研究員と思われるゾンビだった。


白衣は血で染まっており、皮膚も溶けている。

目は血眼。こちらに何かを訴えかけるような目線で見てくる。


そして彼の手を見ると・・・苦しそうな顔をした女性の生首を握っていた。


平和な日本では見ない生首。俺は初めて生首を見たのだ。

「うっ・・・」

俺は思わず声を漏らしてしまった。しかしリツカさんはニヤリと笑い

「あんなの普通よ。」と言ったとたん彼女の指に力が入った。

それと共に銃声が鳴り響き、彼は何も表情を変えずに倒れた。


女性の生首が音を立てて転がる。

仰向けに倒れた彼の白衣のポケットには


Thomas Williamと書かれたIDカードが入っていた。


少し血で汚れているが構わずリツカさんは

「これ・・・何かに使えるわね」といいIDカードを手にした。


そのとたん、さらに奥・・・だろうか。少し上の方から

この世のものとは思えない混沌した悲鳴がした。

そのすぐ後、女性の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。


「生存・・・者?」


「生存者の救出は2隊の任務よ、アクセル、連絡して」


「わかりました」


俺は無線機を取り出し、2隊に連絡しようとするが少しボタンが固かった。


「あっ、こちら第3部隊アクセル。

 ただいま生存者を発見。場所はC棟入り口付近。

 生存者の救出願います。どうぞ」


すると無線機からかなり音割れした声がした。

「了解。 応急処置として生存者の保護願います。どうぞ」



「リツカさん、生存者を保護してくれと2隊が・・・」


「ちっ、なんであたしたちが・・・いいわ、行くわよ」


「第3部隊アクセル、保護了解しました。保護次第連絡します。」


俺とルチアさんは走りだした。そう、生存者の悲鳴のもとへと。


また足音がした。研究員の足音より一段と速い。

向こうから一人の白人の女性が走ってきた。

さっきの悲鳴は彼女だろうか。そう思い彼女の右手を見るとビクッと身震いがした。

彼女の手には2本の指しかなかった。すると彼女は目をカッと見開いて、

「痛い・・・痛い・・・痛い!!!痛い!!!!」・・・と叫びだした。

「どうしたのよ。」


「だれか、寝てた!寝てたの・・・そしたら・・・急に噛み付いてきた!」


「その指・・・もしかして」

俺が聞くと彼女は2本しかない指を俺の顔の元へ近付けた。

真っ赤なその手には人差し指と薬指しかなかった。血の匂いが鼻を刺激する。

彼女の手をどけようとして右手で払おうとすると、まだ握ったままの無線機に少し血が付いた。


「私ゾンビに食いちぎられたの!!痛いわ!痛い!!」


少し呆れた顔をしたリツカさん。

「アクセル、無線連絡しなさい」


「はい」


右手で握ったままの無線機を口元へ近づけた。

まだ少し血の匂いがする。

「こちら第3部隊アクセル。生存者を保護したが、手の指を3本食いちぎられた模様!」


すると、入り口あたりから男性の声がした。

「到着しました、生存者の救出にあたります!」


「お願いします」


隊員は白人女性を背負って入り口へと向かっていった。


俺もリツカさんもまた奥へと向かおうとしたその瞬間、白人女性の目が豹変した。


その瞬間、彼女の豹変に気が付いたリツカさんは


「そいつを離して!!」と叫んだ。


その声は隊員に届かなかったのか、

まだ隊員の肩に掴まる女性はゾンビと化し、男性隊員の首に噛み付いた。


生々しい音と飛び散る赤い水の粒。

隊員の悲鳴がしたが、そんなものなんてどうでもよかった。

彼は意識を失ってしまい、その場に倒れ込んだ。

感染した女性の手は既に再生し、鋭い爪まで生えていた。

彼女のその尖った手は死体となった隊員の顔をえぐり始めた。

男性隊員の顔が段々と紅くなる。

「間に合わなかったか・・・」リツカさんが舌打ちをする。

俺はただただ呆然としていた。

まさか・・・俺の前で・・・人が・・・2人も・・・


リツカさんが無線機を肩ポケットから取り出すと、

「こちら第3部隊リツカより全軍に告ぐ。

 先程生存者の救出に向かった第2部隊員が

 生存者の急変により感染し、攻撃を受け死亡したと見られる」


リツカさんが無線機の向こうの答えを待ち俺を見るといきなり目を見開いた。

無線機から返事が返ってきたがリツカさんは気づかずにこちらを見ている。


「アクセル・・・あなた・・・うしろ・・・」


俺はなんだろうと思って後ろを見た。


                       To be continued...