あたしと彼の出会いは突然だった。

予想も出来なかった出会い。

友達にも「ドラマみたいじゃん!!」

って言われたしなぁ(^▽^;)




あたしが春休みに実家に帰ってたとき

その日はやってきた。


その日はおかんが夜勤で、あたしが夕ご飯を作ってた。

そんな時に電話が鳴ったんだけど、あたしは出なかった。

だって実家にあたしへの電話はかかってこないから、

家に他に誰かいる時は電話出ないの。


少しすると、おじいちゃんがリビングに入ってきた。

「楓~電話やぞ~」

「は?楓?」


あたし宛の電話を疑問に思いながらも

受話器を受け取った。


「もしもし」

電話に出ると、相手は話し始めた。

まったく知らない人からの電話で、あたしは不機嫌に。

「また勧誘か何か?はぁ、めんどくさ・・・。」

そう思いながら電話を切るタイミングを探してた。

そしてあたしの声にもそれが思いっきり表れてた。


「お店のPRをしたくて電話したんですけど、

良かったらお話聞いてもらえませんか?」

多分そんなことを言われた。

ご飯作ってる最中だったし面倒だから早く電話切りたかったけど、

あたしは断れなかった。

こういうの断るの苦手なの・・・(TωT)

そしてつい出てしまった言葉。

「あぁ、はい・・・」

アホかあたし!!それくらいしっかり断れよ!!(TωT)

って思ってると、

「え!?いいんですか!?」

あたしの返事に電話の相手が驚いてた(笑)

「こういうのって大抵聞いてもらえないんですよね」

そう言っていろいろ話し始めたの。


この電話の相手が、今あたしが好きな人



彼の話からちょっとずつこれがどんな電話なのか

理解した。

ジュエリーのお店であること。

日本ではまた知名度は低いけど、

最近雑誌やテレビでも取り上げられるようになってること。

もっと多くの人に知ってもらいたいこと。

そのために電話でPRをしていること。


いろいろ話していくうちに

あんなに不機嫌そうな声だったあたしの声は

いつもの状態へ、笑い声へ変わっていった。

途中で実は同い年だってことも分かって、

それからはお互いのことを話したりもした。


彼は「こんなの怪しいと思うでしょ?」

何度もそうやって言った。

「今日も『クソガキ』って言われて電話切られた・・・」

とか。

彼はいつもは接客の仕事をしてるんだけど、

その日は人が足りなくてこうやって電話かけてるって言ってた。

この仕事は好きじゃないって。

「怪しまれる仕事だから仕方ない」

って言ってたけど、あたしはそんな彼が引っかかった。

ホントに諦めてるのかな。。。?って。


でも確かにあたしも怪しんでたからね(;´▽`A``

だって知らない人から電話なんかかかってくることが

すでに怪しいやん。

何で番号知ってんの!?( ̄□ ̄;)って。

そんなあたしの不安を彼は消してくれようとした。

いろいろ説明してくれて、

「ちゃんとしたキレイなお店だから」って

電話中にお店の写メも送って来てくれた。

芸能人から贈られたお花の写メも。


そして「お店見に来てみない?」

正直迷った。

だって、多少の不安はあったから。

でも友達と遊ぶためにお店の近くに行く予定もあったし、

その帰りに行ってみることにしたの。

日にちと時間を決めて、

近くの駅まで彼が迎えに来てくれることになった。


「もうこんな時間だよ!」

その言葉で時計を見ると、電話がかかってきてから

2時間が経ってた!!Σ(゚д゚;)

ビックリだよね。

まったく知らなかった人と2時間の長電話(笑)

「こんなに長電話したの初めてだよ」

って言ってくれたのがすごく嬉しかった。

そして「また後で携帯に電話していい?」

って言われたから、

「いいよ」

って言って、

「じゃぁまた後でね」

って電話を切った。


何か不思議な感じだった。






あたしと彼の出会いはこんな風でした。

まさかこんな出会いがあるだなんて思ってなかった。


もしあの時に実家に帰ってきてなかったら、

家にいなかったら、この出会いはなかった。

もしおじいちゃんが電話に出なくて自分で出ていたら

「今出かけてます」

って切ったかもしれない。


でもあたしは彼との出会いは

偶然じゃなく必然だと思いたい。

てか、あたしは人との出会いは全部必然だと思うから。


だから思ってる。

あたし達は出会うべくして出会ったんだと・・・。