昨日話したレイチェルでの屋敷の話。その続きです。

昨日は、ボディーガードの依頼を受けて渋々レイチェルの屋敷を訪れたフランクの話をしていましたが、そのフランクが指摘したのが、警備システムの見直し。

警備は万全だと抗議した旧来からのボディーガードのトニーだったが、それに対してフランクは、ここに来る時、門番に、「自分は、トーマス・エジソンです。鍵を確認したい」と言ったら、家の鍵ばかりか免許証までくれたという話をする。

驚いたトニーに、家の鍵を投げて渡すフランク。
そして、トニーに当てつけるように、免許証の写真写りが悪いと言っている。(^^ゞ

これには、さすがにトニーも、グーの音も出ない感じでしたね。(^^ゞ

スナック菓子をいつも手に持って、真剣味の無いトニーでも、部外者に簡単に鍵を渡すような状況では、警備が全くなっていないことは、分かるはず。

しかも、「トーマス・エジソン」だなんて、如何にも怪しく名乗っているのに、そんな人物に、鍵どころか自分の免許証まで渡すなんて、警備してないのも同じ。これではどこからでも入られてしまう。(^^ゞ

ところで、このフランク達が警戒しているストーカー。
そのストーカー自身が話す場面は、フランクが屋敷を訪れるその前くらいにしか有りません。

別の人物として、話しているんだけどね。(^^ゞ

多分、その人物が、主人公達の周りに出現することになるため、直近に声を観客に聴かせると、その声から直ぐにストーカーだと分かるのを避けるためじゃないかと思います。(^^♪

もっとも、怪しい場面では、そういう怪しい音楽が流れるから、バレバレでしたが。(^^ゞ

ともかく、そのストーカーが一番最初に現れた場面では、パーカーを被って顔がほとんど見えない形で、こんなセリフを語っていました。

「レイチェル、僕の女王。キミは女王で僕は虫けら。いや、本当は逆なんだ。
 キミだけが僕の痛みを分かってくれる、必要なのは生け贄。そう待っててね。もうすぐだから。僕の女王」

世界的なスターである「レイチェル」を女王、そして、自身を「虫けら」というのは分かりますが、「本当は逆なんだ」という意味には悩みました。(^^ゞ

ひょっとして、もうすぐ、レイチェルを自分が支配するということを意味しているのかも?
この辺りは、また違う意味があるのかも知れませんので、断定は出来無いけどね。(^^ゞ

その次のシーンでは、通称「盆」に乗って、奥から回転するようにして登場してきたレイチェル。

何と、ピアノを弾き語りしている。

May J.さん本人も、実はピアノが弾ける。
でも、本人は、ずっと苦手意識を持っていたみたいだけどね。(^_-)-☆

ツアーライブで、そのピアノを弾く時には、緊張するからと、ヒールを脱ぐなんてことも以前はやっていました。余談ですが。(笑)

レイチェルが、ピアノで弾き語りしている曲は、『グレイテスト・ラブ(GREATEST LOVE OF ALL)』。

その後ろの階段には、姉のニッキーが座って、その弾き語りを聴いていました。

レイチェルは、曲の途中、納得がいかないのか、一度ピアノを弾くのを止め、再び弾きだして歌うのですが、その後のフレーズ、「尊敬だけは」という部分を、後ろにいたニッキーが歌ったことで、そこにニッキーがいたことに気づきます。

「美しい曲だわ」と褒めるニッキー。

それに対し、曲の繋ぎ目のところに納得いかないことをニッキーに告げたレイチェル。

でも、その部分について、「ここはこうしたらどう?」とアドバイスしようとするニッキーの言葉を遮って、無遠慮に「(息子の)フレッチャーは何処?」と聴くレイチェル。

この最初の頃のレイチェルは、人のことを余り思いやれないような感じでしたね。
この後にも、ニッキーを傷付けるような言動が、有りましたし。(^^ゞ

これは、姉のニッキーに対する甘えとも取れますね。(^^ゞ
今のレイチェルは、アカデミー賞にノミネートされている。さらに、アルバムのリリースを控えているということで、自分のことで精一杯なのかも。

レイチェルにとって、姉のニッキーは、気を遣わずに最も安心して話せる相手。
そうしたことが、余計に、こんな発言を生むのかも知れませんね。(^^ゞ
・・と、ひたすら「レイチェル」を援護!!(笑)

その後、レイチェルは、息子のフレッチャーがフランクと楽しそうに話しているのを観て、フランクから引き離して連れて行くと、もうフランクと遊んでは駄目だとキツくいう。

不服そうなフレッチャーでしたが、そこは聡明で優しい子。レイチェルの言葉に渋々ながら従う。

この場面で、フランクのことを「友達なんだ」と言っていたフレッチャー。
母が偉大なDIVAだったことで、同年代の友達が周りにいない寂しい生活だったのかも知れないですね。

或いは、レイチェルの父親の姿が無いことから、フランクに父親のような愛情を感じ始めていたのかも・・。(^^♪

ところで、姉のニッキーには、密かな楽しみが有った。
それは、バーでショーを行うこと。

レイチェル同様、ニッキーも歌手だったことが、この場面で明らかになりましたね。
場末のバーと思われる場所で、ピアノの演奏に合わせて、『愛はあなたのもの(SAVING ALL MY LOVE FOR YOU)』を歌うニッキー。

ニッキー役のAKANEさん。大人の女性の魅力に溢れた、素敵な歌声を披露してましたね。(^^♪

ニッキーは、レイチェルの姉だけ有って歌が上手いという設定になっているのかな?
AKANEさんも相当の実力者だし。
宝塚出身の方なのだとか。道理でね。(^^♪

それはさておき、物語の方。ニッキーが歌っているところに、フランクがやって来る。
そのフランクに気づいたニッキーは、フランクに近寄って、何をしに来たのか尋ねる。

フランクは、帰りが心配だったからということで来たらしいが、レイチェル自身がそのバーに来るかも知れないということで、警備に関して調べに来たのだった。

それに対し、「レイチェルは来ないわ」と答えたニッキー。

少し気まずかったのか、「ここは寒すぎるわ」というニッキーに、フランクは、自分の上着を脱いで、彼女の肩にそっと掛ける。

この紳士的な行為に、打ち解けた感のニッキー。
フランクのことについて尋ねようとする。

だが、フランクの母親の話題になった時、フランクは「話題を変えるなら今がチャンスだと思うけど」と、やんわりと話題を変えようとする。

これは、大人な、上手な言い方でしたね。
「もう聞かないでくれ」とか、「話したくない」では、相手に気まずい感じを与えてしまう。

でも、「話題を変えるなら今がチャンスだと思うけど」と言えば、その話題をもう話したくないことは充分に伝わりますし、相手も傷付けない。

この言い方は、大人の素敵な断り方だと思いましたよ。自分も使おうっと。φ(..)メモメモメモ

その後、「レイチェル」が何故ここに来ないのかと尋ねたフランクに、ニッキーは、高校生の頃の話をする。

それによると、高校生の頃、ニッキーは、バンドを組んでいたのだが、そこにレイチェルが入ってきて、状況は一変してしまった。

「あの子は子供ながらに、もうスターだった」と話すニッキー。
その後、バンドをやめた話をしたニッキー。「複雑なのよ」と話すと、フランクが先ほど言ったように、「話題を変えるなら今がチャンスだと思うけど」と言って、それ以上の話を避ける。

「ここはまるで冷蔵庫みたいだな」とフランクは言うと、ニッキーを送っていくために車を回してくると言って立ち去る。

後に残ったニッキー。フランクに恋したのだろうか?
『愛はあなたのもの(SAVING ALL MY LOVE FOR YOU)』を高らかに歌っていく。

この後の、ニッキーの運命を思う時、つくづく気の毒な女性だと思いましたね。(^^ゞ

もし、ニッキーがレイチェルの姉で無かったとしたら、それなりに歌手として大成出来たのでは無いだろうか?・・そんな風に思います。

スーパースターになるべくして生まれてきたようなレイチェルを、妹に持ってしまったことが、ニッキーの悲劇の始まりだったのかもしれませんね。

妹に対して、肉親の強い愛情を感じながら、同時に、肉親ゆえの苦しみを背負ってしまっている。

しかも、この場面で、フランクに恋してしまったこと。それが、ますます彼女の運命を悲しく惨めなものにしてしまう。

May J.さんは、レイチェルを演じることになった時、恋愛の部分より、姉との関係性のことをより考えていたようですが、このニッキーの存在は、作品としての「ボディーガード」にとって、無くてはならない存在だと思います。

光には陰が付きもの!!
レイチェルを光とするなら、、ニッキーは陰。

そのニッキーの悲しい一人の女性の生き様がクローズアップされることで、レイチェルの存在も支えられているのだと思いましたよ。May J.さん。(^_-)-☆❤️❤️