自己満足の果て②

 

注意注意注意

私なりの猫ちゃんについてのかかわり方、経緯を記します。

正解とか、間違っているとか、どうすれば良かった等の意見を求めたい訳ではありません。

あえて公開範囲を定めずコメントも閉じません。しかし、私がキツイと感じる意見がもしありましたら削除させていただくかもしれません。

幾つかに分けて投稿しますので、以上踏まえて大丈夫な方は覗いていってくださいね。

 

自己満足の果て①の続きです

 

あしあと あしあと あしあと あしあと クローバー あしあと あしあと あしあと あしあと

 

 

 

 

「○〇円になります」

 

朝オープンしたばかりの近所のスーパーに寄った。

 

生きているかもしれない

生きているかもしれない

生きているかもしれない

まだ、生きているかもしれない

 

 スーパーに置いてあったペッタンコになっている段ボールを再成形するのに手間取り、手が震えてガムテープがなかなか張り付けられずに焦る。

 交通の便がいい場所で、朝は大小様々な車が割とひっきりなしに通る道。

 悩んだこの時間のせいで、生きているかもしれないあの子の命がこぼれてしまうかもしれない。

『ねこちゃんがひかれてていきているかもしれなくてじかんにまにあわないごめん』

 先約には漢字にも直せずメッセージしてぼたぼた涙をこぼしたまま調達したタオルと氷、段ボールを抱えて車を走らせる。

 

踏まないで

踏まないで

踏まないで

 

 

願いながら引き返して、到着するまでに心臓が飛び跳ね続け、てもういっそ口から出てしまうんじゃないかと思った。

指先がすごく冷たいのに、呼吸が早くて肺が痛い。

 

 

ハザード出して停車。後ろの車、行きかう車、ごめん邪魔だったね。

でも、みんな上手く避けてくれていたみたいで体には傷一つ無かった。とめていた間もどんどん車が追い越していく。

 

お顔確認して、口とお腹の呼吸確認して、目を伏せる。

もう、息が無い。

 

 

 

 

もう少し早く出ていたら

もっと早くここを通っていたら

家でのんびりしていたから

轢かれるのは防げなくとも、息があったなら助けられたかもしれない。なんでもっと早く出ていなかった、支度は終わっていたのに。

近くの獣医さんもお休みじゃなかった。

もっと何か出来たかもしれない

 

 

 

 

ごめんね、間に合わなくて。

ごめんね、痛かったね。

ごめんね、ごめん、何もできなくて

 

 

 

 タオルの留め具をちぎって広げて段ボールの中に敷く。

震える手で場所と体の状態を写真に撮っていく。

もう一枚のタオルで体を包んで持ち上げて、ゆっくり段ボールの中へ横たえる。思ったよりもずっしりとした大きな体に短い手足の子で、体はまだとても柔らかかった。道路に血が滲んでもいなくて頭を捻る。

 亡くなってまだ全然時間が経っていない。どうしてここにいたの?

毛並みが良く、恰幅もいい。それに手足が短いという事は飼われていた子の可能性が十分ある。一度自宅へ戻って、足りないかもしれない氷を追加して箱を袋で覆う。

ガサガサしていたら近所の猫飼いさんが声を掛けてくれた。

「おはよう、どうしたの?」

 慌てながらも経緯を話すと、獣医さんへの連絡や、他の猫飼いさんへの連絡も含めて担ってくれた。

「もしも、野良ちゃんでないのなら家族の元へ返してあげたいね。

体が柔らかかったなら飛び出してきてまだ時間が浅いのかもしれないし、ご家族が高齢だとそもそも気が付いていない可能性もあるね。ネットでの掲示板などに載せられていない子かもしれないね」

 

 色々な事を考えて二人で出した結論は、まず近所に声を掛けてみる。だった。

 

 平日のこんな時間に、お宅に居る方がどれだけいるのだろうか。

『突然すみません、お家で猫ちゃん飼われていませんか』

現場近くに戻ってきて一軒一軒聞いて回る。

いらっしゃらない、出てこないお家も沢山あった。

 そんな中、突然のチャイムに驚きながらも出て来てくださって、

しどろもどろ説明するのを真摯に聞いてくださって対応してくださる方が殆どだった事に驚く。

『うちには猫がいるけど、全員いるから大丈夫。ありがとう』

『うちは犬しかいないんだよ、大変だな。頑張って』

 こんな怪しい奴、邪険にされるかと思ったけど、そんな声を沢山かけていただいた。

 

 半径一キロ圏内、猫ちゃんが移動する距離だと言われているけど途方もなく思えた。本当に一キロ圏内なのか、もしかしてそれ以上の所から放浪して帰れなくなっている子だったら。

車で走ったら、普段だったら、あっという間の一キロが遠い。

お家が何軒もまとまっている中で、周囲数軒では猫ちゃん飼っているお家ないのよと教えてくださった方がいて省いた場所もあったけれどそれでも周辺に老若男女問わずこんなに人が住んでいるのだと気づかされた。

 

運動不足の自分を呪った。走れていたあの頃の自分だったらもっと多くの軒数を一度でサクサク回れただろうに。

しかも、一度自宅に戻った時はちゃんと運動靴を履いてた、なのに慌てて出て来た弊害かどうにも走りにくいと思って下を確認したらサンダルみたいなものを履いていたのでとても走りにくかった。

焦っても仕方ないのに、どうしても小走りになる。

 

 

 

もう少しだけ続きます。。。