異常に暑い夏が終わり、ようやくいい季節と思いきや、あっという間にほんのり寒さを感じる頃。
ふと人生について何がしたくて、何をしたくないのか考えたら、したくないことの方がありありと浮かんできた。
自分の完全に個人的な感情や理由で、人を傷つけることはしたくない。対人においてエナジーバンパイアにはなりたくない。
人の健康を害することはしたくない。
人工物や農薬が沢山かかった綺麗な野菜や果物、精神などの不可逆的な副作用が強い薬や、一度飲むとなかなかやめられないものなどを進んで勧める人にはなりたくない。
自分の家族や大切な人に、取り入れたくないものを他人にどうぞと勧めるのはかなり難しい。
そうして見ないふりをしたとして積み重ねたものは、きっとずっととれない喉の小骨みたいにひっかかって時折疼くから。
そんな綺麗事では生きてはいけない、皆んな誰かや何かの生物、土壌の犠牲の上に成り立っている、としたら
そんな概念や世界は必要なのだろうか。
できれば、ちょっと人の人生がより良い方向に向かう延長線のライン上に生きていたい。
一つのバランスが崩れると、容易に沢山のバランスに影響が及び連鎖していく世界。
きれいな川が、底のみえないどろどろの川となり、凶暴な外来種や雑菌だらけになって、そのうちそれに慣れ
はたとこのままではいけないと気付いた時、きれいな水流を取り戻すのにどのくらいかかるか分からない。
そしてその時にはすでに沢山の在来種が絶滅危惧種になる。
そんなことをふと思った冬のはじまり。
