※転載はお断りしております。




「俺のナワバリだ」


俺らには、ナワバリってもんがある。


ナワバリの見回りは、毎日の日課さ。

欠かしたことなんてない。

三日坊主にならないのかって?

なるわけねぇじゃねぇか。

取られるわけにゃいかねぇのさ。

ナワバリってぇのは、俺の強さの表れでもあるんだからな。


よお姉ちゃん。今日もイカしてるじゃねぇか。


「やっほー塀の上で威張ってんじゃないぞ?」


近所の学校とやらに通ってる人間の姉ちゃんさ。

なんでも人間ってのは、学校に通って学ぶんだと。

そんなのめんどくせえやい。

道ってぇと、車ってのが通ったりして、危ないときもあるけど、塀の上なら、余程のことがない限り安全さ。

好奇心旺盛なガキにも触られずに済むしな。


「ご機嫌麗しゅう。地べたで暮らす下民どもよ」

こいつはカラス。

気味の悪い見た目をしてらぁ。


なんでぇ?


「まあ!ギラつかなすって。今日こそ、其方を食ろうてやろうと思って来てやったってのに」


何様のつもりでぇ?

お前なんかに食べられてたまるかよ。


「まぁ、そうカッカしなさんな。我らに食われるとあらば、光栄なことであろう?」


ほんと、うぜえ…


「何?!そなたは我らを何と思うてか?!」


カラスだろ。


「それは人間めの言葉でいう我らの総称であろう?知っているぞ」


威張ろうがどうしようが構わんが、うるさい黙れ…


「もう我慢ならん!!カァ!!!」


かかったな!俺が食ってやらぁ!



(格闘中)



カラスってやつは頭がいいなんて、人間は言っていたが、意外と沸点が低い。

ちょっと怒らせればこっちのペースさ。


まぁ、カラスってのは飛べるのがずるいわな。

今回は見逃してやらぁ…

しっかし、なんでこんなに羽ってぇのが抜けてもあいつは飛べるんだ?

そんでもって、こんなに散らかしていくなよ。

俺のナワバリが汚れたじゃねぇかよぉ…

ま、仕留めたかのように見えるから、このままにしておくか。



さてと…次行こう…





━━━━━━猫にゃ〜




以前書いた自分のブログを読み返したり…

猫のすずめちゃんが応援隊長を務めている「ひざうえ」を読む中で、

触発されたといいいますか…

書いてみたくなったので書いてみました。


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