見知らぬ土地の見知らぬ道を少し不安に思いながら車を走らせた。
携帯のナビを頼りに教科書でしか聞き覚えのなかったとある街のとある場所を目指して。
その日から遡ること5年以上も前にSNS上でつながっていた人に初めて会った。
ひょうひょうと現れたその人は、長年想像していた人とはずいぶん違っていた。
共通の持ち物が繋いだ縁だ。
あの日から私の生活は変わった。見知らぬ土地は少し見慣れた土地になり、知り合いも増えていった。
その人は私に人生の選択肢を増やしてくれた。楽しいと思えるたくさんの時間をたくさんの仲間と一緒に過ごした。
1年後、私はその仲間たちが集まる街に住み出した。それから10ヵ月。
あと2ヵ月で1年だ。
いろんなものやことに慣れてきた。すると今まで見えなかったものが少しずつ見えてきた。