美しいバストシルエットを表現するには、「服は肩で着るもので、バストで着るものではない」ことが重要であると解説した洋裁本を紹介します。

 

うくる

 

著者はパリコレや東コレのサンプル縫製などで活躍されている、文化服装学院の講師も務める西川真令氏。

 

文化服装学院内の書店で見つけた立体裁断に関する本で、カットソー素材を用いてその理由を具体的に説明していて、なかなか示唆に富む内容になっている。

 

バストの周りや脇にシワやドレープが目立つカットソーは悪い商品で、良いカットソーはダーツなしの綺麗なバストシルエットになっているという。

 

平面作図だと前身頃と後ろ身頃の二面だけで服づくりを考えてしまいがちであるが、立体は服を一体として考えるので、脇面からのシルエットを見ることも大事であると強調している。

 

具体例として、体の中心(頚椎)に向かって生地を倒して縦地の目を合わせることで脇が変に開かず、肩で着る、裾が真っ直ぐなカットソーになり、バスト脇からシワが出たり、バストポイントから下に向かってドレープが出ることはないとしている。

 

良い商品はカッティングが基本となっている。カッティングを美しい直線でデザインすると、平面作図に置き換えた場合、美しい曲線となるという。

 

例として立体裁断により衿を直線のデザイン線で描くと、作図では後ろ下がりの曲線になることで説明している。

またVネックは、立体裁断で直線にすると平面パターンでは曲線になるという。

 

上記以外に、

・袖はボディの脇線より後ろ身頃側に付ける。身頃の脇線と袖脇下とは同じ位置でないため。

・アームホールは直線でデザインする。

・前身頃と後ろ身頃を比べると、胸幅は背幅に比べて狭く、前身幅は後ろ身幅より広い。

・前身頃NPと後ろ身頃NPの位置が違うため、BNPの位置はFNPより高い位置にある。

 

などを列挙して立体裁断の基本を解説している。

 

立体裁断の基本に戻って肩で着る美しいバストシルエットを作り上げることが、良い商品につながるとされている。立体裁断の重要性が改めて再認識させられる洋裁本です。

 

 

 

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