金曜日もパイロット校での一年の締めくくり授業観察を行いました。
しかし、朝からあまり気が乗らない。
というのも、ここもパイロット校の校長先生先生は、この一年どれだけ一緒に授業観察してほしいと言っても、「今、手がはなせない」と言って、何十回かした授業観察のうちの一度だけ(15分ほど)しか一緒に授業観察してくれませんでした。
忙しいのはわかるけれども、私だけが授業観察しても一時的なものにしかならない。しかし、校長先生が授業観察の目をもっていれば、その学校は私が去ってもずっと指導、改善が続けられる。
だから、私は自分が授業観察するときは、いつも校長先生についてきてほしいと頼んでいました。
この日も、「あー、どうせまた理由をつけられて断られるんだろうなぁ」と予想していました。
しかし!
今回は、私と一緒にまわってくれました。
1つ目の授業、少し授業観察した後に、校長先生が先生に「ちょっと指導書見せて。」
と、
しばらく読み込んだ後、
「これ、学習課題とページ違うがでしょ。」
と。
これもグアテマラ授業あるあるなんですが、先生が黒板に書いている内容と、実際にやっている内容が違うという現象を見事暴きました。
2つ目の授業観察。
子どもが数名いない状態ではじまり、授業開始数分でそこからか戻ってきたり、教室内にいる子どももざわざわして、先生の話を聞いていない。
そんなグアテマラあるあるではじまった授業、突然校長先生は
「先生、ちょっと待って。こんな状態で授業なんて始められませんよ。子どもが全員そろっていないじゃないですか。この教室の規律は一体どうなっているの?しっかりしてください。」と。
授業スタート。
あ、またしてもグアテマラあるある。
先生の言っていることが、本当にチンプンカンプンで訳がわからない。
しかも、わり算の筆算の商の位置は違う。(今までなんども言ってきたのに…)
子どものノートを見ても、これまでに間違った指導がされてきたことが一目瞭然。
すると校長先生、私に
「あー、もうだめだこれは。最悪。ちょっといってくる。」
と言って、立ち上がり、校長先生みずから教壇へ。
目の前の状態に耐えかねた校長先生は、担任の先生を差し置いて、みずから子どもへ間違った指導がされた内容を一から解き直し始めました。
声のハリ、
話す手順、
子どもを引きつける発問、
指導内容への理解、
子どもへのしつけ等、
どの場面でもとても教師の見本となる姿を見せてくださり、とても頼もしく思い、またもや校長先生に胸キュンでした。
今まで他のことでも怒れることの方が多かったのですが、この校長先生からも本当に教育をよくしていきたいと思って、行動する姿に私は感動したのでした。
日本語の生徒。
この日は、ついに一年生の漢字テスト。
本当に可愛い子で、私はどれだけ癒しをもらっていることでしょう。