もうすぐ家を出ます。
あたしにも分からないことは山ほどある。納得できないことも、許せないこともある。人がどうして生きていくのかも、あたしには分からないし、どうしてあたしが死ななければならない決断をしたのかも分からない。

それでもあたしは、自分を守って、自分の道を、自分で選んで生きていく。
この足で。


たどり着く場所を求めていたんだろうか。
恐怖から逃れたいんだろうか。
疑問なんて無意味なんだろうね、きっと。

さようなら。
信じてたよ。
愛してたよ。
でも全部過去の話。
だからあたしは信じなかったよ。
愛さなかったよ。

それだけで、十分でしょう?


よくしてくれてありがとう。
優しくしてくれてありがとう。
でもごめんなさい。
あたしが悪いのは分かってる。
でも同じくらい、みんな悪いのよ、きっと。
人が皆、消えてなくなりますように。
それが正しいことでありますように。
0時を迎えたら、さよならするのよ。

行ってきます。
さようなら。

残り、ジャスト1ヶ月。
それが何か意味を持つかと聞かれたら、まぁ別に意味なんて無い。
それは誰かの死期が明日に迫ろうと、あたしには何の意味も持たないのと同じように、あたしの死期が迫ることなどあたし以外の誰かにとって意味など無い。
何故か分からないが恐らく容量オーバーで、USBに入れてあった唯一のバックアップデータが全て消えた。
それもこれも、あたしの正しさを証明するだけ。
死ぬに等しい、事足りる、ある意味妥当な人間があたし。
それを示してるだけに過ぎない。

誰にも決めることのできないあたしがいる。
誰にも咎めることのできないあたしがいる。
誰にどんなにすがりつこうと、何をどれだけ願おうと、あたしが意味を見出すことなど不可能で、あたしを生きることも不可能だ。
もはや言葉にも意味などなく、意味にこだわるのは、やはりそこに真実と本質があるからじゃないかって思うから。
行く場所も、帰る場所も、どこにもない。
だとしたら、あたしの今立っている場所はどこなんだろう。
ここは一体どこで、あたしは一体誰で、何を生きてるんだろう。
誰も答えてはくれない。
あたしの傷でさえ答えてはくれない。
やっぱり真実は、意味のあるものは、あたしは、死ぬことしかない。

いつかは終わる場所で、
今日消えようが明日消えようが、
同じ数だけの人が泣き、
同じ数だけの人が苦しむ。
誰かが咎められる権利なんかないなら、
あたしは自由になれる?
それがどこに縛りつけられるのかを選べる自由なんだとしたら、
それは自由なんて綺麗事なんかじゃなく、
断絶だの逃避だのと名付けられるんだろうね。
あたしはそれでもいいよ。
だってあたしの思考だけは誰にも奪えない。
だからあたしは自由なの。




あなたには、
あたしの具体的な部分なんて分からない。
あたしにも、
あなたの具体的な部分なんて分からない。
分かりたくもない。
爪先まであたしでいたいから。