「,うちの孫が、この店でバイトしていたんよ!!」と、
レジで会計をしている時に、ヘアクリップを買ってくれたおばあさんが云う。
「えっ!!お名前は!?どなたですか?」と、店主が尋ねる。
「○○です!!今ね、女なのに鍛冶屋になっちゃってね!!」と、
困ったような口調で云う。
店主は、驚いた!!
えっ!!あの娘が鍛冶屋に!!
あの化粧が上手くて、とびきり可愛くて女らしいあの娘が!?
その女の子は、お店にバイトに入って来る時はいつも
両手でドア🚪を静かに押し開けてから、いったん又ドアの方に
真っ直ぐに向き直り、そしてそれから両手でそっとドアを閉めるのだった!!
(前世は、おそらく武士の妻だったのではないか?と、Kakiくんならイマジンするだろう)
今どき、そんな女らしい仕草をする娘なんていやしない!!
ほとんどの人は、後ろ手でドアをパタンと閉める。
それ故か、その娘を店主は特に可愛がった。
バイトを終了してから40分ぐらい、「ペチャクチャ隊」と称して
スピリチュアル!な話を聞かせたり、村上春樹の小説
「海辺のカフカ」,や「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」
の朗読をして読み聞かせしたりもしたものだった。
その娘が、汗臭い男どもに混じって、鍛冶屋になったなんて、
どうしても信じられなかった店主は、ロングレターを書いて
彼女の実家に送った。
マスク姿の彼女😷が、お店に現われたのは、
それから数週間後のことだった。
店主は、その人物が最初誰だか?全く判らなかったが、
マスクを外して顔を見せてくれたので、
「嗚呼、来てくれたんだね!!」と、感嘆の声を上げた。
「昔から、鍛冶屋の仕事が好きだったんです!!」と、
彼女は嬉しそうに云う。
おそらく前世で、鍛冶屋職人だったのかもしれないな!?と、
店主はすぐに理解した。
(Kakiくんの推測は、外れた訳だ!)
本人が好きで選んだ職業なら、別に説教して女の子らしい仕事に就け!!なんて、
とうてい言えない。
それにしても、7年ぶりの邂逅だった。
あれから2年経ったけれど、今頃どうしているのだろうな!?と、
思う店主だった。
「結婚しているのかな!?」