40代で子なし、介護不要の両親がいる私の人生は「正しい」のか?

 
 
 
 

 

ガーディアン(英国)

 

Text by E Tammy Kim

 

結婚や出産をしないことを選んで生きてきて、40代に入った筆者。韓国系米国人である彼女は、ルーツである韓国へ両親と共に向かい、もう面倒を見きれなくなった先祖の墓じまいをする。

この生き方は正しかったのか、この先何を残すべきなのか──中年と高齢者、そして亡くなった人の三世代しかいない墓場を見て、彼女は人生を振り返る。

 

見送る若者のいない墓場


数年前、韓国に住む母の兄が「両親の墓を撤去する」と宣言した。このおじとその妻が、別々に埋葬されている祖父母の墓守を務めていたのだ。

彼らは毎年墓参りに数回訪れ(終わりのない渋滞に巻き込まれながら)、自宅で仏事の準備をしてきた(終わりのない料理と掃除もついてくる)。自分の子供たちがこういった儀式を引き継ぐ可能性は低いため、60代半ばの彼らは手を引くことを望んだのである。

再び別れを告げるために祖父母の棺を掘り起こし、その遺骨を火葬する日程を彼らは決めた。母はこのことを良く思っていなかったが、実質的な発言権はない。米国へ移住した際にその権利を放棄していたのだ