英国がパレスチナ国家を承認
バルフォア宣言から1世紀、ガザ停戦圧力となるか 米・イスラエルは強く反対
英国がパレスチナ国家を承認 バルフォア宣言から1世紀、ガザ停戦圧力となるか 米・イスラエルは強く反対(ロイター
英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルの4カ国は21日、パレスチナを国家承認した。パレスチナ自治区ガザ紛争への不満が募っており、2国家解決を推進する狙いがある。これを受け、イスラエルは非難した。 「英国は正式にパレスチナ国家を承認する」 スターマー英首相は、イスラエルが約2年に及ぶガザ紛争で停戦に応じなかったことなどを理由に、同国がパレスチナを国家承認すると発表した。既にパレスチナ国家を承認している140カ国以上と足並みをそろえた。またこの決定は、イスラエルと米国を刺激するものになりそうだ。 英国のほかカナダとオーストラリアも同日にパレスチナ国家を承認した。ベルギーやフランスなども、今週ニューヨークで開かれる国連総会において同様の行動を取る見通し。 パレスチナ自治政府のアガベキヤン外相は、この決定を歓迎した。 パレスチナ自治政府 アガベキヤン外相 「これは二国家解決を維持することに関心を持つ国々が取るべき、効果を伴う確かな、不可逆的な一歩だ。存亡の危機に直面しているパレスチナの人々に、非常に明確な希望のメッセージを送るものでもある」 一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、この動きはイスラエルに対する存亡の脅威をもたらすと述べた。同首相は以前から、パレスチナ国家を承認する国々を「ハマスの凶悪なテロリズムに報いるもの」と非難してきた。 イスラエルにとって、今回の英国の決定は象徴的な意味も持つ。第二次世界大戦後、英国は近代イスラエル建国に大きな役割を果たし、長年にわたり同盟関係を維持してきたからだ。 ラミー英副首相は、英国には二国家解決を促進する歴史的責任があると以前から述べていた。その起点は、ユダヤ人国家の創設がアラブ人の権利を侵害しないと約束した1917年のバルフォア宣言にさかのぼる。 米国は欧州の同盟国による承認の動きに強く反対している。米国はパレスチナ当局者に対して制裁を科し、国連総会への出席を阻むためにビザの発給拒否や取り消しなどの対応を取っている
===============================================================
英加豪ポルトガルがパレスチナ国家承認、イスラエルは非難

9月21日、英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルの4カ国は、パレスチナを国家承認した。写真は非難するパレスチナ人。9月21日、ガザ地区中央部で撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)
Catarina Demony Bhargav Acharya [ロンドン/トロント 21日 ロイター] - 英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルの4カ国は21日、パレスチナを国家承認した。パレスチナ自治区ガザ紛争への不満が募っており、2国家解決を推進する狙いがある。これを受け、イスラエルは非難した。 西側4カ国はこれまでにパレスチナ国家を承認している140カ国以上と足並みをそろえた。 第二次世界大戦後、イスラエルが近代国家として誕生する際に大きな役割を果たしたことを考えると、英国の決定は特に象徴的だ。 スターマー英首相は「今日、パレスチナ人とイスラエル人の平和と2国家解決への希望を復活させるため、英国はパレスチナ国家を正式に承認する」と述べた。 「ガザにおける人為的な人道危機は、新たな深刻さに増している。イスラエル政府による容赦ない、激化するガザへの爆撃、ここ数週間の攻撃、飢餓と荒廃は全く容認できない」と語った。 フランスを含む他の国々も、今週ニューヨークで開催される国連総会で同様の行動を取る見通し。 イスラエルのネタニヤフ首相はこの動きを非難した。 「10月7日の恐ろしい虐殺の後にパレスチナ国家を承認する指導者たちに明確なメッセージがある。あなた方はテロに莫大な報酬を与えている」とし、ガザ紛争の発端となった2023年のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲に言及。「パレスチナ国家がヨルダン川以西に樹立されることはない」と述べた。 パレスチナ自治政府のアッバス議長は、承認は「パレスチナ国家がイスラエル国家と安全、平和、そして良き隣人として共存する」ための道を開く助けになるだろうと述べた