軽井沢の重要文化財「旧三笠ホテル」25年10月1日再開館、指定管理者は日比谷花壇
川又 英紀
日経クロステック/日経アーキテクチュア
軽井沢の重要文化財「旧三笠ホテル」25年10月1日再開館、指定管理者は日比谷花壇 | 日経クロステック(xTECH)
長野県軽井沢町にある国の重要文化財「旧三笠ホテル」が2025年10月1日にリニューアルオープンする。約5年半に及ぶ建物の保存修理工事が完了し、一般公開の再開準備が整った。
保存修理工事が完了し、2025年10月1日にリニューアルオープンする「旧三笠ホテル」の外観1(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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旧三笠ホテルの外観2(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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旧三笠ホテルのサイン(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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建物内には新たにカフェスペースを設けた。展示室は内容を一新し、旧三笠ホテルの歴史や保存修理工事の内容、軽井沢の歴史などを紹介する。かつて客室だった部屋を改装した貸室を用意し、会議や撮影などに利用できるようにした。25年6月に軽井沢町が旧三笠ホテルの指定管理者に選定した日比谷花壇(東京・港)が施設を運営する。指定期間は25年10月1日から30年3月31日まで。なお、旧三笠ホテルはホテル営業をしておらず、宿泊はできない。
建物内に新設するカフェスペース(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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客室の展示。ホテルとしては営業しておらず、宿泊はできない(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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かつての客室を改装した貸室。会議や撮影などに利用できる(写真:長野県軽井沢町、日比谷花壇)
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1906年に開業した旧三笠ホテルは、70年にホテル営業を終了している。80年には建物が軽井沢町に寄贈された。同年、日本の近代を代表する純西洋式建築として、国の重要文化財に指定されている。軽井沢のシンボル的な建物で、83年に内部の一般公開が始まった。
その後、2019年12月末に休館し、20年1月から耐震補強工事や屋根スレートのふき替え、外壁の塗り直し、雨漏りで破損した小屋組みの木部補修、しっくい壁の塗り直しなどを実施してきた。バリアフリー対応の「エレベーター・トイレ棟」も増設している。
保存修理工事の事業者は軽井沢町。改修の設計は文化財建造物保存技術協会、施工は清水建設がそれぞれ手掛けた