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ダイソン社創業者のジェームズ・ダイソン Photo: Getty Image
イチゴの収穫量は2.5倍 ダイソン式「垂直農法」は農業の未来を救うのか
ファスト・カンパニー(米国)
Text by Adele Peters
日本でも掃除機やヘアドライヤーなどが人気のダイソン。家電製品のイメージが強い同社だが、2013年には農業にも参入し、英国全土に広大な農地を所有している。
創業者のジェームズ・ダイソンは食糧問題の解決に注力しており、家電製品の開発で培った技術を独自の垂直農法に活かしていると語る。
彼が描く「新しい農業の形」とは?
温室内でイチゴが回転
英国の地方で育ったダイソン創業者のジェームズ・ダイソンは、最初の仕事が「ジャガイモの収穫」だったという。そんな彼は、工学とデザインが食糧問題の解決に役立つと確信している。
「農業は技術革新を牽引してきました。しかし、逆もまた然りです」
2015年ごろ、英リンカンシャー州キャリントンにある同社の農場では、家畜の排泄物を電気エネルギーに変換する装置が導入された。この設備は約1万世帯分の電力を発電でき、その一部は電力網に供給され、残りは農場で使用されている。
ダイソン社の農業部門であるダイソン・ファーミングは、この設備が生み出す熱を有効活用するためにイチゴの温室を増設した。しかし、彼らはさらに改善ができると気づいた。
「エンジニアに『満足』などないよ」とダイソンは語る。
「私たちは常に、同じリソースでより良い結果を得るために、物事をどう改善できるかを問い続けている。従来の列植えに頼る代わりに、私たちはイチゴの苗を高さ5メートル以上の回転式のプランターに配置したんです。
こうすることで、温室の空間を最大限に活用し、同じ面積で栽培できる苗の数を大幅に増やしました。収穫量は2.5倍にもなりましたよ