なぜゲーム機は高額になったのか PS5の米国の値上げから考察
サブカル専門ライター
PS5の価格を約550ドル(正確には549.99ドル)と表示した
ソニーのサイト
ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の米国の価格が50ドル値上げされ、約550ドルになりました。日本では何度も値上げされていますが、米国では初めて。先日は、任天堂も初代「ニンテンドースイッチ」(通常版)の米国価格を40ドル値上げして約340ドルになりました。
現在人気の「ニンテンドースイッチ2」の価格は約450ドルで、日本は特別に約5万円ですが、従来の任天堂のゲーム機からすると高価格なのは確かです。なぜ今のゲーム機は高いのでしょうか。理解の参考になる記事を挙げながら、考えてみます。
エキスパートの補足・見解
世界で売れるゲーム機は、世界経済の影響を受けやすいもの。そして世界的にインフレ基調にあるため、値上げされたり、高額化しつつあります。新型コロナで増加した需要に加え、流通網の混乱や戦争なども影響しています。
家庭用ゲーム機は、新型が出るたびに高性能化が進むため、価格が上昇しやすい商材です。一方で、ヒットの量産効果が見込めるため、かつては値下げが期待できたーーそうした時代もあったのです。
しかし現在、“構図”は変わりました。人件費や生活コストも上昇しており、ゲーム機だけが例外になりません。なお米国では、日本や欧州に比べて低価格のゲーム機が売れる傾向にあります。例えば、初代スイッチもライトが良く売れますし、割安の再生品PS5が販売されています。
米国でのPS5の値上げが意味するのは、経営で“守り”に入ったということ。発売初年度は、本体が逆ざやでも普及を優先していました。しかし世界累計出荷台数が8000万台を突破した今、赤字でも売るような極端なリスクを負う必要はありません。
ただし価格が高くなるほど新規への普及にブレーキがかかるのは確か。厳しい状況の中で、今後各ゲーム会社の業績がどうなるのか。注目されます
なぜゲーム機は高額になったのか PS5の米国の値上げから考察 #エキスパートトピ(河村鳴紘