オランダを支える外国人労働者の実情は
アムステルダム、高級スポーツクラブで働く現代の「奴隷」たち

フォルクスクラント(オランダ)ほか
Text by Courrier international
アムステルダム紙「ヘット・パロール」の調査報道が明かしたのは、オランダの高級フィットネスジムチェーン「セインツ&スターズ」の清掃員の過酷な境遇だった。
「そこでは、月額最大189ユーロ(約3万2000円)を支払う裕福な住民たち」が、高級化粧品が備わった更衣室で着替え、「身体を現代の美の基準に完璧に合わせることを目的にしたトレーニング『Holy shred(ホーリー・シュレッド)』に没頭する」とオランダ紙「フォルクスクラント」はまとめる。
だが、ヘット・パロールの報道によれば「ジムから少し離れたところでは、セインツ&スターズの清掃員たちは裕福さの欠けらもない暮らしを送っている
パスポートは没収され、給与を減らすと脅され…
清掃員のうち11人は、同チェーンの経営者トム・モースが所有する別荘に暮らしている。モースはオランダの億万長者ルネ・モースの息子でもある。
父親のルネ・モースも、ヨーロッパの大手トレーニングジムチェーン「Basic-Fit(ベーシック・フィット)」の共同創業者兼