業績が低迷するなか新CEOの下で6年ぶりの大刷新 「顧客は無機質な体験に疲れていた
テクノロジーを重視してきたスタバが発表した、がらっと転換する「新戦略」
スターバックスが今後重視することとは
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CNBC(米国)ほか
Text by COURRiER Japon
世界最大のコーヒーチェーン、スターバックスが大きな転換点を迎えている。これまではテクノロジーを用いて効率を重視してきたが、新CEOがこの戦略を大きく変えるという。
モバイル専用店舗を閉鎖
スターバックスは近年、モバイル注文を用いたピックアップ専用店舗を拡大し、スピードと効率を武器に成長してきた。しかし、ここにきて、この戦略を大きく転換する。
2024年秋に就任したブライアン・ニコル新CEOは、Z世代の無駄のない体験を好む志向に合わせて開発された、モバイル専用ピックアップ型店舗を段階的に廃止すると発表した。2026年末までに全米で80から90店舗が閉鎖または改装され、6年間続いたモバイル専用店舗は、事実上終焉を迎える。
ニコルCEOは、これまでの効率を重視したお金と商品の交換だけとなる「取引型のモデル」が、スタバのブランドの本質である「温かみ」を損なったと判断。決算説明会では「モバイル専門ピックアップ型店舗は取引に終始し、スターバックスの象徴である温かさや人とのつながりが欠けていた」と話した
モバイル専門店舗は都市部や空港、病院に集中し、レジや座席をほとんど設けず、スマホで商品を受け取るだけの設計だった。顧客は次第に無機質な体験に疲れ、競合が新たなホスピタリティを打ち出すなかで、スターバックスの強みが薄れていったという。この反省から、スターバックスは再びコーヒーハウス本来の居心地とホスピタリティを前面に打ち出す戦略へと舵を切っていると、米誌「フォーチュン」は報じている