オランダ連立政権が崩壊、スホーフ首相辞任へ 移民・難民政策で分裂

 

 

朝日新聞

2025年6月3日、オランダのハーグで4党連立から離脱した極右政党のウィルダース党首=AP

 

 

 

 

 オランダで3日、スホーフ首相率いる4党連立政権が崩壊した。第1党の極右政党「自由党(PVV)」のウィルダース党首が同日、移民・難民政策をめぐる対立から、PVVが連立政権から離脱するとスホーフ氏に通達。スホーフ氏は同日中にも国王に辞表を提出し、内閣が総辞職する見通しだ。

 

 

 

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ウィルダース氏は、難民申請目的の外国人の流入を減らすため、軍による国境封鎖や、「シリアの大部分は安全」だとして短期ビザで入国するシリア人の国外追放などを盛り込んだ10項目の計画を発表。連立を組む他の3党に、合意の署名をするよう迫っていた。  しかし3党は、いくつかの項目が欧州人権条約や、オランダも批准する難民条約に違反していると指摘。署名を拒んでいた。結果、ウィルダース氏は連立政権からの離脱を決めた。  昨年7月に発足したスホーフ政権をめぐっては、極右のPVVと組みたくない他党との間で連立交渉が難航。政権発足までに8カ月間を要した。PVVが政権から抜けることで、スホーフ政権は下院の過半数を維持できなくなり、2027年を予定している下院総選挙が、前倒しされる可能性が高まっている。(ブリュッセル=牛尾梓)

朝日新聞社

 

 

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