高層住宅火災 負傷者39人の半数が高齢者 避難に課題浮き彫り

毎日新聞

 

 

高層住宅火災 負傷者39人の半数が高齢者 避難に課題浮き彫り

 

 

 

火災があり煙が上がる集合住宅(右)。左は避難した住民ら=大阪府泉大津市で2025年4月19日午後1時29分、本社ヘリから西村剛撮影

 高層住宅で7人が重症となる火災が4月、大阪府内であり、病院に搬送された負傷者39人のうち半数以上が60代以上だったことが泉大津市消防本部への取材で判明した。避難時に煙を吸うなどしたとみられ、高層住宅に暮らす高齢者の避難を巡り課題が浮き彫りになった。

 火災は4月19日午前11時45分ごろ、泉大津市の「府営泉大津要池住宅」の6号棟で発生した。14階建ての4階部分から出火し、付近の部屋にも燃え広がって黒煙が建物を覆った。

 市消防本部によると、この火災で住民39人が負傷して病院に搬送された。うち7人が重症だった。

 搬送者の内訳は10代までが4人▽20代2人▽30代6人▽50代6人▽60代2人▽70代11人▽80代6人▽90代2人――で、60~90代が半数以上の21人となった。いずれも避難する際に煙を吸ったことによる気道熱傷や一酸化炭素中毒だった。

 府営住宅の自治会関係者によると、この住宅は築50年で高齢の住民が多く、体が不自由な人も少なくない。

 火災でエレベーターは停止しており、上階の住民らは煙が立ちこめる中で階段を使って避難していた。【斉藤朋恵、大坪菜々美