大阪・関西万博「オランダ館」を淡路島移設、パソナグループがセカンドライフ契約
川又 英紀
日経クロステック/日経アーキテクチュア
大阪・関西万博「オランダ館」を淡路島移設、パソナグループがセカンドライフ契約 | 日経クロステック(xTECH)
大阪・関西万博に出展している海外パビリオンの1つが、閉幕後も日本に残る見通しになった。パソナグループは2025年5月20日、オランダが大阪・関西万博に出展しているパビリオンを、本社がある兵庫県の淡路島に移設する予定だと発表した。パビリオンの建設をオランダ政府から受注したコンソーシアムであるAND B.V.と共に移設を進める。移設後のパビリオンの使い道は今後、協議していく。
大阪・関西万博の「オランダ館」。基本設計はオランダの建築設計事務所であるRAUが手掛け、実施設計と施工は浅沼組が担当した(写真:生田 将人)
[画像のクリックで拡大表示]
上空から見たオランダ館。建物の中央に設置した球体の上半分が屋根から突き出ている。屋根は鏡面状になっており、大屋根リングから見下ろすと、球体が丸く見えるように工夫している。球体の内部はドームシアターになっている(写真:浅沼組)
[画像のクリックで拡大表示]
再利用可能な素材を使って設計された循環型のパビリオンであるオランダ館は当初から、パビリオンの「セカンドライフ(再活用)」を掲げていた。部材は解体しやすい接合方法で組み立てており、再構築を前提に部材を個別管理している。そして今回、AND B.V.とパソナグループの間でパビリオン移設の基本合意書が締結され、建物の移設が実現することになった。通常、万博パビリオンは会期終了後に解体されて姿を消すものだ。
AND B.V.は、オランダと日本の企業から成るコンソーシアムである。オランダの建築設計事務所RAUとデザインスタジオのTellart、エンジニアリングコンサルタント会社のDGMR、そして日本の浅沼組で構成している。パビリオンの施工を手掛けた浅沼組は、移設作業の施工も担当する予定だ。
なお、コンソーシアム名である「AND」は、オランダ館の名称「A New Dawn-新たな幕開け」から取ったものである。
オランダ館は、建物の中心に大きな球体があるのが特徴だ。球体は持続可能なクリーンエネルギーの源である太陽を表現している。外壁を覆う波形のファサードは海を模したもので、パビリオンは海から太陽が昇る日の出の風景をモチーフにしている。
オランダ生まれのうさぎの人気キャラクター「ミッフィー」がお出迎え。背後にオランダ館の外壁を覆う波形ファサードが見える(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
球体の内部は、オランダ館の展示空間の一部になっている。来館者は球体の中に入って、映像を見ることができる。
オランダ館の球体内部の天井や壁に、オランダと水の関わりにまつわる映像が映し出される。治水システムなどを紹介(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
オランダ館では来館者は「オーブ」と呼ばれる光る球体デバイスを持って展示を巡る。館内の天井も鏡面仕上げになっている(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
===================================================================
万博のオランダ館に「太陽」、浅沼組が球体と波形ファサードに日蘭チームで挑む
大阪・関西万博のオランダ館は、直方体をした建物の中央に直径11mの球体が浮かぶ。太陽を表す球体と海に見立てる波形ファサードの設計・施工に浅沼組が日蘭混成チームで挑む。
2024/11/12