ウィーンアコースティクス、クロスオーバー設計や内部構造を刷新したフロア型スピーカー「Mozart SE Signature」

2025/05/12 

 

 

編集部 : 伴 修二郎

 

ウィーンアコースティクス、クロスオーバー設計や内部構造を刷新したフロア型スピーカー「Mozart SE Signature」 - PHILE WEB

 

ナスペックは、同社取り扱いブランドVienna Acoustics(ウィーン・アコースティクス)から、フロアスタンディング型スピーカー「Mozart SE Signature」を、5月26日より発売する。カラーバリエーションはローズウッド/ピアノブラック/チェリー/ピアノホワイトの全4色を用意。価格はローズウッドのみ715,000円、他3色が632,500円(すべて税込/ペア)。

ローズウッド
ピアノブラック

天才ピアニスト「ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト」の名を冠した “Mozartシリーズ” に、デザインや技術、性能全てにおいて到達点の一つと謳うフロアスタンディング型スピーカー「Mozart SE Signature」が登場。全面的な技術刷新と細かなチューニングを施し、クロスオーバー設計や内部ダンピング、バスレフポートを改良したことに加え、 “リファレンスシリーズ” と同じ大型トゥイーターを採用。これにより、従来モデルを凌駕する表現力と精緻な音質を可能にしたと謳う。

チェリー
ピアノホワイト

2.5ウェイ/3スピーカー構成のバスレフ型で、スピーカーユニットは28mm径のハンドコーテッド・シルクドーム・トゥイーター×1基、そして中音域用と低音域用にそれぞれ152mm径の独自ドライバー「X3P」を1基ずつ搭載する。

「XP3」ドライバーは、 自社設計・製造によるオリジナルドライバーに、TPX(ポリメチルエペンテン)をベースに3種類のポリプロピレン系素材を組み合わせた独自の高機能樹脂「X3P(XPP)」を用いたもの。このX3P樹脂を用いることで質量を抑えながら高剛性と最適な内部損失を両立し、広帯域にわたって滑らかで自然なサウンドを再生するという。

自社設計・製造によるオリジナルドライバーにTPXをベースに3種類のポリプロピレン系素材を組み合わせた独自の高機能樹脂「X3P(XPP)」を採用

中音域を担うミッドレンジ・ドライバーには、 精密にコントロールされたX3Pコーンと、新設計のインバーテッド・ラバーサラウンドを組み合わせることで、共振を抑えつつエネルギーロスのない理想的なダンピング性能を実現したと同社はアピール。これにより、「静寂の中に浮かび上がるような微細なニュアンスまでも豊かに描き出す」としている。

低音域にはX3P素材を用いた「スパイダーコーン・ウーファー」を搭載。このコーンに独自のクモの巣状リブ (スパイダーリブ) を施すことでさらなる剛性を確保し、 強力なエネルギーを無駄なく放出。高い内部損失と精密なピストンモーション制御により、スピード感に富み深く力強く、それでいて繊細な低音再生を可能にするとのこと。さらに、凹状に湾曲したラバーエッジがドライバー全体に的確にエネルギーを伝達することで、すべての帯域において一貫した音響パフォーマンスを提供すると説明する。

同ブランドの創業者Peter Ganstererの設計で、Beethovenシリーズ以降の製品に採用されているScanSpeak社と共同開発したシルクドーム・トゥイーターを本機でも搭載。繊細なニュアンスを滑らか且つナチュラルに描き出し、中音域にかけての自然なつながりや耳に優しい伸びやかな高域再生を実現するという。

独自の2.5ウェイクロスオーバーでは、2つのウーファーを単純な並列接続にせず、低域では両方が同時に作動し、高域に向かうにつれて下側のウーファーが緩やかに減衰する設計によって周波数に応じた最適な放射パターンを実現。高音域では小さな振動面を活かして繊細さを引き出し、低音域では大きな振動面が力強さを発揮するバランス感によって、優れたダイナミクスと圧倒的な低域コントロールが可能になったという。

周波数特性は30Hz - 22kHz、インピーダンスは4Ω。外形寸法は260W×996H×312Dmm(突起部/脚部含む)、本体質量は23kg(1台