男の子が不人気になった理由

“男女平等”が進んだ西欧で加速する「息子よりも娘がいい」という考え方

 
 
 
 
生まれてくる子供の性別を気にする親は多い Photo: VICTOR HABBICK VISIONS / SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

生まれてくる子供の性別を気にする親は多い Photo: VICTOR HABBICK VISIONS / SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

 
 

 

フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)ほか

 

Text by COURRiER Japon

 

娘のいない家は「かわいそう」


生まれてくる子供の性別は、いつの時代・どこの地域の親でも気になるものだ。そして、男女どちらが好まれるか、社会や時代によって異なることもまた事実である。

かつては、働き手や跡継ぎとして息子が重宝されたヨーロッパでは最近、娘のほうが好まれる傾向にあるようだ。ますます多くの人が「息子はあまりほしくないけど娘はほしい」と考えるようになっているという。

息子が不人気なのは、子供を持つ親本人たちのあいだだけではないようだ。
 

独紙

 

 

 

「フランクフルター・アルゲマイネ」

 

 

 

の取材に応えた、3人の息子を持つ母親は、3人目が生まれたときに近所の人に「また男の子だったのね……」と憐れまれたと語る。女の子が一人もいない家庭は周囲からも「かわいそう」と思われるのだ。

娘のほうが好まれる傾向は、多くの産婦人科医や助産師が現場で見ているのみならず、ポーランドの研究チームが2023年にヨーロッパ全土でおこなった調査によっても裏付けられている

 

 

 

男女平等の結果?


この傾向について調査してきた社会学者のカーステン・ハンクは理由について、ヨーロッパでは女性の社会進出が進み、女性も男性と同じくらい稼げるようになったことをまず挙げる。

ところが、それだけでは女の子のほうが人気になったことの説明にはならない