エヌビディアの急成長支える“宇宙船”
設計者のゲンスラーが重視したのはコラボレーション
島津 翔
シリコンバレー支局
2024年に時価総額が世界首位となるなど、業績の急拡大が続く米半導体メーカーのエヌビディア。米ゲンスラーが設計した本社オフィスには、迅速な意思決定を支える同社の文化が反映されている。
米求人情報大手のグラスドアが
毎年実施している「最高の職場ランキング」の
2024年版でエヌビディアは全米2位になった。
グラスドアの分析部門を率いるダニエル・ザオ氏は
「職場環境と企業文化の組み合わせが、高評価につながった」と分析する。
職場環境では、シリコンバレーの本社オフィスも高い評価を受けている。
建築設計を指揮した
米大手建築設計事務所ゲンスラーの
ハオ・コー氏は
「情報の流動性を重視するエヌビディアの文化が、建築の形態に反映されている」と説明する。
エヌビディアの本社オフィスは、
17年に完成した「エンデバー」と
22年に完成した「ボイジャー」から成る。
いずれも低層で地をはうようなデザインで、
見た目は宇宙船のようだ。
2棟の延べ面積は約2万3000m2で、
数千人の従業員が働いている〔写真1〕。
〔写真1〕本社オフィスは2棟から成る
米カリフォルニア州サンタクララにあるエヌビディアの本社オフィス。エンデバーとボイジャーの2棟から成る。テレビドラマシリーズ「スタートレック」の宇宙船の名を取ったものだ(写真:Gensler | Jason O’Rear Photography)
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「我々を象徴するような本拠地をつくろう」。
ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)の掛け声で、
10年代入ってすぐに大手建築設計事務所4社による設計競技を実施した
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