新京橋連結路」の開削トンネル工事、鹿島・鉄建建設JVが298億円で受注

星野 拓美

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

東京・日本橋上空に架かる首都高速道路の地下化に併せ、銀座エリアに延長約1.1kmの地下路線「新京橋連結路」を建設する事業で、首都高八重洲線合流部の開削トンネル工事の施工者が鹿島・鉄建建設共同企業体(JV)に決まった。契約金額は298億8700万円。工期は2025年4月22日~36年3月31日のおよそ11年間。首都高速道路会社が25年4月21日に同JVと契約を結んだ。

 

 

 

 

新京橋連結路の整備イメージ(出所:首都高速道路会社)

新京橋連結路の整備イメージ(出所:首都高速道路会社)

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 入札には、入札時VE(バリューエンジニアリング)提案タイプの総合評価落札方式を採用した。この方式では、設計に基づく施工方法で入札金額を決めた上で、VE提案によるコスト削減額を提示。入札時の審査で採用されたVE提案に基づいて入札金額を低減し、総合評価の評価値を算出する。

 鹿島JVの他、大林組・熊谷組JV、清水建設・大豊建設・西武建設JV、フジタ・ノバック・南海辰村建設JVの3者が参加した。予定価格は約396億円(税抜き)。鹿島JVの元の入札金額は参加した4者の中で低い方から2番目だったが、VE提案による低減額が約68億円(税抜き)と大きかったため、評価値を算出する入札金額は最安値となった。技術評価点は4者とも満点だった。

 

 

 

約320mの開削トンネルを構築

 新京橋連結路は、八重洲線の丸の内出口付近と都心環状線の京橋入り口付近をつなぐ路線だ。日本橋の首都高地下化に伴い江戸橋ジャンクション(JCT)を都心の環状ルートから切り離すため、新たな環状ルートの一部として建設する。

 

 

 

 

現在の都心環状ルート(出所:首都高速道路会社)

現在の都心環状ルート(出所:首都高速道路会社)

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将来の都心環状ルート(出所:首都高速道路会社)

将来の都心環状ルート(出所:首都高速道路会社)

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 今回のトンネル工事は新京橋連結路建設の第1段階。八重洲線の南側につながる約320mの開削トンネルを構築する。下水道移設や八重洲線の一部撤去なども行う。基本設計は日本シビックコンサルタントと日本工営が担当した。

 開削トンネル工事に着手した後、シールドトンネルの建設に取り掛かる。首都高はこのシールドトンネル工事を28年1~3月に発注する予定だ。構築するシールドトンネルは2本で、延長の合計は約1600m。事業規模は50億円以上、工期は約8年を見込む。

 

 

 

 

 

新京橋連結路の開削トンネル部(出所:首都高速道路会社)

新京橋連結路の開削トンネル部(出所:首都高速道路会社