トランプのあの帽子にそっくり

グリーンランド発「米国はどこかへ行け」帽子がいま「話題のアイテム」に

 
 
 
 
by Jabin Botsford/The Washington Post via Getty Image
 
 
 
 
 
 
 

 

ニューヨーク・タイムズ(米国)ほか

 

 

COURRiER Japon

 

 

米国のJ・D・バンス副大統領と妻のウシャ、国家安全保障担当補佐官のマイケル・ウォルツがグリーンランドの米軍基地を訪れた際、歓迎ムードは薄かった。だが、ある“話題のアイテム”が注目を集めたと米「ニューヨーク・タイムズ」紙は報じている。

それは、トランプ大統領の「MAGA(Make America Great Again・米国をもう一度偉大な国に)」帽子にそっくりの「Make America Go Away(米国はどこかへ行け)」と書かれた帽子だ

 

 
 
またカナダでは、トランプ大統領が「カナダを米国の51番目の州にする」と発言したことに反発し、オタワ在住のリアム・ムーニーとエマ・コクレーンが「Canada Is Not For Sale(カナダは売り物じゃない)」と書かれた帽子を作った。これは、すでに世界中で4万個以上を売り上げる人気商品になっている。


ニューヨーク大学の歴史学者ルース・ベン=ギアットは、こうしたパロディは「身近なシンボルを用い、それに真逆の意味を付与する抗議芸術の伝統に基づく」と分析する。

一方で、米国内で販売されている「Make America Gay Again(米国のゲイをもう一度偉大に」や「Make NATO Great Again(NATOをもう一度偉大に)」といったパロディ帽子は、それほど注目を集めていない。政治戦略家アナット・シェンカー=オソリオはその理由について、ニューヨーク・タイムズにこう説明している。

「民主党は一貫したビジュアルメッセージを打ち出せませんでしたが、グリーンランドやカナダの帽子は『国家主権』という共通の主張で人々を団結させました」

さらに、「抵抗」「拒絶」「嘲笑」という抗議の3要素を満たしていたことが成功につながったとも指摘している。前出のムーニーによれば、パロディ帽子はカナダのリベラル層だけでなく、保守派や中道左派支持者からも購入の要望が寄せられているそうだ
 
 
 
歴史学者のベン=ギアットは「反MAGA運動のマーチャンダイズはまだ始まったばかり」と予測する。

「SNSでイメージが拡散される現代において、グリーンランドで誰かが作ったものが、カナダやメキシコ、米国で受け入れられる可能性も充分にあります