清水建設が最高難度の施工に挑む、トーチタワー支える「ダイヤグリッド架構」
山﨑 颯汰
日経クロステック/日経アーキテクチュア
清水建設が最高難度の施工に挑む、トーチタワー支える「ダイヤグリッド架構」 | 日経クロステック(xTECH)
Torch Tower(トーチタワー)」の低層部では、ダイヤ状に柱を組む構造を採用する。この構造が、耐震性能を高める重要な役割を果たしていく――。
2028年の竣工を予定するトーチタワーは地下4階・地上62階建てで、高さは約385m。完成すれば、高層ビルとして日本一の高さとなる。設計を三菱地所設計、施工を清水建設がそれぞれ担当。23年9月に着工した。
トーチタワーの完成イメージ。設計は三菱地所設計が担う。低層部には商業施設などが入る予定(出所:三菱地所設計)
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設計に当たっては、南海トラフ地震などのリスクに備えるため、耐震要素を建物外周に配置する「外殻ブレース制振構造」を採用している。中でも、地上1~8階では柱を斜め材だけで構成する「ダイヤグリッド架構」とする計画だ。
工事が順調に進めば25年7月からダイヤグリッド架構に該当する地上部の鉄骨建て方が始まる予定だが、清水建設常盤橋プロジェクトの副総支配人(プロジェクトマネージャー)である仲林清文氏は、「施工の難易度は非常に高く、一筋縄ではいかないだろう」と話している。
清水建設は2025年1月、実際に使用する柱を利用してダイヤグリッド架構の仮止めを実施した(写真:清水建設