斎藤知事のパワハラ認定をした第三者委、どんなメンバーか 3人の元裁判官が60人と面談

会見する第三者調査委員会の藤本久俊委員長(中央)ら=19日午後4時4分、神戸市中央区の兵庫県庁
兵庫県の第三者調査委員会が19日、斎藤元彦知事について、告発者を処分した対応を違法とし、パワハラ行為を認定する調査報告書を公表した。
第三者委の委員は、公正さや中立性を保つため、元裁判官の弁護士らで構成。県関係者ら累計60人と面談し、延べ90時間に及ぶヒアリングなどの調査を実施してきた。
第三者委の名称は「文書問題に関する第三者調査委員会」。
県弁護士会から推薦を受けた藤本久俊委員長ら3人が「委員」として判断を担い、さらに調査の実務を補佐するため、追加で3人の弁護士が「調査員」としてサポートに回った。
藤本委員長を含む委員の3人は全員が元裁判官だ。昨年7~8月に準備会議が開かれ、9月18日に初回の会合を開催。
告発文書に書かれた7つの疑惑や告発者を公益通報者として扱わず懲戒処分とした県の対応の妥当性を、法律の専門家として、約半年間、関係者への聞き取りや資料精査により調査してきた。
県は当初、告発文書の内容について県人事課などによる内部調査を根拠に懲戒処分を行ったが、客観性や中立性に欠けるとの指摘があがり、県議会側が昨年5月に第三者委員会の設置を要請。
斎藤氏が設置を決めた。
一方、翌6月には、
県議会としても疑惑を調査する必要があるなどとして、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置され、2つの調査が並行して進む異例の事態となった。
企業や自治体で不祥事が起きた場合に、
外部の専門家に調査を委ねる第三者委員会の仕組みが広まったのは、
2000年代に入ってからとされる。
外部の専門家には、
身内による調査にはない「中立性」と
「客観性」が期待され、
不正会計やハラスメント、
事故などのさまざまな問題対応の「定石」として設置されてきた。
今回の兵庫県の第三者委も日本弁護士連合会の
「地方公共団体における第三者調査委員会調査等指針」にのっとって設置。
関係者との血縁関係や関係企業との取引、
県との顧問契約などの利害関係がないことを条件に県弁護士会に委員の推薦を依頼したという