ティム・クックもビル・アックマンも一押し!

幸せになるために知っておくべき「5種類の富」と「5つの質問」

 
 
 
 
 
 
 
Photo: C.J. Burton / Getty Images
 
 

 

フォーチュン(米国)ほか

 

Text by COURRiER Japon

アップルのCEOティム・クック、そしてヘッジファンドの巨人ビル・アックマンが熱烈におすすめする一冊の本がある。サヒル・ブルーム著

 

 

 

「5つのタイプの富 : 夢の人生をデザインするための変革指南書」

 

(未邦訳)だ。

 



ティム・クックは同書を「意味と目的のある人生を築くためのガイド」だと

 

 

紹介

し、アックマンもXで、「早い時期に読めば読むほど、あなたの人生はより良いものになる」と絶賛する。

著者のサヒル・ブルームはかつて、プライベート・エクイティ・ファンドの副社長を勤め、複数の投資先企業で取締役を務めた人物。新卒ですでに「6桁(10万ドル以上)の収入を得ていた」と英紙

 

 

「テレグラフ」

 

 

のインタビューで語っている。
 

だが、2021年、30歳にして彼は一線を退いた。金融業界でのキャリアのなかで、自ら得た富を楽しむ時間はほとんどなかったと話し、子供の頃から裕福な友人に囲まれていたことで、「金持ちの定義が正しいのかどうか、疑う暇もなかった。私の人生の目標は、もっとも裕福な人々がしていることを見つけることだと思っていた」と振り返る。

いま、「作家、起業家、投資家」となったブルームは、残りの人生を「もっとも重要なこと」に集中して過ごすと決め、重要な5つの富が著書のテーマになった。米誌

 

 

「フォーチュン」

 

 

はブルームが説く5種類の富について、「どれが欠けても人は満たされず、真の豊かさを得るためには、それらすべての調和が必要」なものだと説明する。

幸福になるための鍵は、富に関する5つのシンプルな質問を自分に投げかけること。テレグラフに掲載されたその質問と説明を、抜粋して紹介する。ブルームはこう言う。「誰も答えは持っていません。最高の発見は、適切な質問を知ることによってもたらされるのです

 
 
 

富に関する5つの質問


1. 時間という富「愛する人と過ごすために残された時間は?」

数年前、ブルームは友人にこう聞かれた。「両親はおいくつ?」。「1年に1回しか会わないとしたら、人生であと15回しかもう会えないって知ってた?」と。
 

この会話がブルームの人生を激変させた。「両親がすでに高齢になっていることはわかっていました。ですから、この15回を数百回にすることにしたのです」。彼は仕事を辞め、家族とともに米国東海岸に住む両親の近くに引っ越した。

さらに彼は、私たちが実際どのように時間を使っているのか、本当はどう使うべきなのかを考えるよう勧める。著書では「エネルギー・カレンダー」の使用が提案されている。自分の日記を見ながら、出来事を緑(エネルギーを生み出すもの)、黄色(どちらでもないもの)、赤(エネルギーを消耗するもの)に色分けする。目標は、緑に多くの時間を割き、赤を減らしていくことだ。

2. 社会的な富「あなたの葬儀で最前列にいるのは誰ですか?」

「目を閉じて、自分の葬儀を想像してみてください。最前列に座っているのは誰ですか? その人たちこそ、本当に大切にすべき人たちです」とブルームは言う。

「ステータスを得ることは、豊かさの証です。ステータスを通じて、尊敬や賞賛を得ようとするのは普通のこと。ですが、人々はそれを、会員制クラブへの所属や高級腕時計で得ようとします。スポーツカーが欲しいのは、その車で走りたいからなのか、それともただ、周りの人から、成功者だと思われたいからなのか……?」
 

それよりもブルームは、「愛に満ちた人間関係のなかで自由時間をともに過ごし、知識や知恵を分かち合い、尊敬を得る。こうして自分のステータスを獲得すること、それは時間を要しますが、現金では手に入れることができないものです」と語る。

3. 精神的な富「10歳の自分は、いまの自分を見てどう言うと思いますか」

「人生は有限です。だからこそ、追うべきものを選ぶこと。個人的なものであれ、職業的なものであれ、人生に最大の見返りをもたらすものを選ぶことは重要です。一歩離れて自分を見つめ、『目的は?』と問う時間を持ってください」

本のなかでブルームは、心の豊かさを向上させるために、3つのリストを書くことを勧める。一つ目は、自分が「好きで喜びをもたらしてくれるもの」のリスト。二つ目は、「自分にとって簡単にできること」のリスト、三つ目は、家族のケアや仕事に行くことなど、「やらなくてはならないこと」のリストだ。

「あなたの人生の目的は、(リストを円の中に書いたときに)円が交わる真ん中に位置します。そしてそこが、さらなる探求の出発点です」。その目的は、職業と結びついている必要はないという。
 

4. 肉体的な富「自分の80歳の誕生日パーティーで踊れますか?」

「健康な体はステイタスシンボルだ」とブルームは言う。彼は確かにこのルールを実践していて、インスタグラムには彼の引き締まった体の写真と過酷なワークアウトの様子が溢れている。

「自分の体を、あと70年暮らさなくてはならない家のように扱ってください。家の現在と未来は自分でコントロールできます。土台と屋根をきちんと保ち、小さな問題が起きたらすぐに修理する、長持ちさせるための毎日、毎週、毎月の小さな投資を続けることです」

その投資には、運動や、加工食品を減らした健康的な食事、充分な睡眠時間などが含まれる。

5. 経済的な富「自分にとっての『充分』とは?」
 

ブルームが超裕福層に囲まれて生活していた頃、彼はどんなものでも、上には上があることを知った。「あなたがヨットを持っていたとしても、世の中にはもっと大きなヨットを持っている人がいるんです」。そして、どんなに金銭的に恵まれていても、不幸な人は多くいたと話す。

もちろん、ある程度の経済的余裕は人に選択肢を与え、リスクをとって経験を積めるようにしてくれると認める。お金が「何物でもない」とも言わない。

「でも、お金だけではないのです。お金は道具であって、ゴールではありません。成功した人生という自分の定義について、疑問を抱いてほしいのです