沈まぬケーソン基礎に鋼管杭30本で対策、中部縦貫道の橋脚設計変更

安藤 剛

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

中部縦貫自動車道の橋脚工事に生じた基礎のケーソンが計画通りに沈下しない問題で、国土交通省は原因となった土圧を抑えるため、設計を変更して地中に30本の鋼管杭を打設する。この橋を含む区間の開通予定時期は依然として未定だ。

 

■新子馬巣谷橋P1橋脚の工事課題への対策

■新子馬巣谷橋P1橋脚の工事課題への対策

(出所:国土交通省)

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 国交省近畿地方整備局の福井河川国道事務所は、中部縦貫道の一部である大野油坂道路の九頭竜インターチェンジ─油坂出入り口間15.5kmの整備を進めている。同区間は中部縦貫道の福井県内の区間で最後に残った未供用区間だ。同区間の一部である「新子馬巣谷橋(しんしばすだにばし)」のP1橋脚などの施工を、23年12月~25年3月の工期でオリエンタル白石が担当している。

 

■P1橋脚の施工に関連するトラブルの概要

■P1橋脚の施工に関連するトラブルの概要

(出所:国土交通省)

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 橋脚基礎の施工は「ニューマチックケーソン工法」を採用。ケーソンと呼ぶコンクリート製の躯体(くたい)の直下を掘削しながら地中に沈めていく。地下水位が高い地盤などでよく用いられる工法だ。

 ところが24年5月以降、ケーソンが山側からかかる想定外の土圧のため計画通りに沈下しなくなった。福井河川国道事務所は24年9月、沈下の遅れなどのトラブルを理由に、26年春としていた同道路の開通予定時期を見直すと発表した。

 

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