肥満・糖尿病の疑いがある人は…?

か? 

 

緑茶はこの時間帯に飲むのがベストだった!

Photo: John Block / Getty Images
 

 Shigenobu Shibata

 

 

 

あなたの体にとって、何時に緑茶を飲むのが最善だろうか? 実験結果から導き出される答えは……

 

 

 

緑茶も「飲む時間」で体への影響が変わる


緑茶の主要なポリフェノールである

 

カテキンには、

 

血糖値の降下作用があることが知られています。

 

 



我々はヒトを対象として、

高濃度カテキン緑茶の

 

食後血糖値の

 

抑制効果を

 

朝食時と

 

夕食時で比較しました。

 

そして、インスリンの分泌に対しては

朝夕で差異が認められなかった一方で、

 

血糖値の上昇は、

夕食時の緑茶摂取によって顕著に抑制されることを報告しました。

 


 

同一被験食を朝、夕で摂食した場合の血糖値の上昇は、

 

夕方で顕著であることが知られており、

夕食後の高血糖の抑制を目指す場合には、

夕方に緑茶を摂取することは理にかなっているでしょう。

次にマウスの研究で、

朝もしくは夕方にカテキンを1週間投与し、

その後、朝と夕に糖負荷実験を行いました。

 

夕食に糖を与えた場合、

夕食でカテキンを摂食していた群は、

カテキンを与えていなかった群に比較して、

糖による血糖値上昇が有意に小さかったという結果でした。

 



一方、朝食に糖を与えた場合は、

夕食のカテキン投与群と

カテキンを投与しなかった群との間に

差は見られませんでした。

また、朝食のカテキン投与群には、

夕食の糖負荷と朝食の糖負荷の間でこのような違いは観察されませんでした。

ヒトの研究で、

高濃度カテキン茶を

1週間毎日、

朝食、

もしくは夕食に

摂取したときの血糖値を比較すると、

 

先の単回投与と同様に夕方の方が効果的で、

かつ

 

血糖の抑制効果も同等の大きさでした。

以上のマウスとヒトのカテキンの慢性投与実験をまとめると、高濃度カテキンの血糖抑制作用は夕方が効果的で、この効果には摂取時刻の記憶機構が働き、また、耐性などは見られないということになります。

 

したがって肥満・糖尿病の疑いがある人は、

 

夕食時に高濃度カテキン茶を飲むことをすすめたいと思います
 

ところで、

お茶にはカフェインが比較的高濃度に含まれています。

我々は、カフェインの時間栄養学的研究からは、

 

朝に摂取すると末梢時計を朝型にリセットできること、

また、

 

抗肥満効果は

夕摂取より

朝摂取で効果的であることを見出しています

ただ夕方飲む場合は、睡眠への影響を考えてカフェインが少なめのお茶の方が良いでしょう

 

 

朝か夕か? 緑茶はこの時間帯に飲むのがベストだった! | クーリエ・ジャポン