家族のビジネスが狙っている?

復興を口実にガザからパレスチナ人を「一掃」したいトランプの目的

 

 

パレスチナ・クロニクル(パレスチナ・米国)ほか

 

Text by COURRiER Japon

 

「別の場所に住んだほうがよい」


イスラエルとハマスの停戦協議をバイデン前政権から引き継ぎ、当事者に圧力をかけて停戦を実現させたトランプ政権。恒久的な停戦に至るかどうかはまだ定かではないが、ガザ北部には数十万人のパレスチナ人が戻ろうとしており、わずかな希望も見られる。トランプの働きはキア・スターマー英首相などに外交の功績として称賛された。

しかし、戦場となったガザ地区の復興をめぐるトランプの発言は、物議を醸している。

それは、パレスチナ人を外国に移住させるべきだとする発言だ。
 

米メディア「CNN」などによると、2025年1月25日にトランプは、「ガザ地区は文字通り解体現場だ。ほとんどすべてが破壊され、人々がそこで亡くなっている」として、ガザ地区を「一掃」するために150万人もの住民が「平和に暮らせるであろう別の場所に家を建てたほうがよい」と述べた。

CNNによると、トランプはすでにヨルダン国王とエジプト大統領に対し、パレスチナ人の受け入れ拡大を要請したという

 

 

 

 

民族浄化にほかならない


トランプのこの提案は、米国やパレスチナの人権団体、バーニー・サンダース米上院議員、各国の法学者、パレスチナ自治政府の政治家、ハマスの幹部などから一様に、「民族浄化にほかならない」と非難されている。

要請を直接受けたヨルダンとエジプトも、トランプの計画を明確に拒否した。

パレスチナ系独立メディア「パレスチナ・クロニクル」によると、ヨルダンの外相はアブドラ2世国王が「パレスチナはパレスチナ人のものだ」と述べたとして、「パレスチナ人を彼らの土地から追放しようとするいかなる試みも、安全と安定を損なうだけだ」と表明した。
 

エジプト政府も声明で、パレスチナ人の「不可侵の権利に対するいかなる侵害も拒否する」と述べている。
 

トランプ案を歓迎する人たち