前田建設工業などが取引先評価で最高ランク、最低評価はタマホーム
青野 昌行
日経クロステック/日経コンストラクション
中小企業庁が調査した価格交渉・転嫁に関する取引先の評価で、建設関係の企業では前田建設工業とオリエンタルコンサルタンツ、日水コンが最高ランクとなった。最も評価が低いのはタマホームだった。同庁が2025年1月21日、個別企業の評価結果を明らかにした。
中小企業庁による価格交渉促進月間フォローアップ調査の概要。アンケート対象の受注企業が発注企業に対して価格交渉と価格転嫁に関して評価する(出所:中小企業庁)
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中小企業庁では毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」と定め、受注者側の中小企業が発注企業に対してコスト上昇に伴う価格交渉や価格転嫁ができる環境の整備を促進。その活動の一環として毎回、フォローアップ調査を実施している。
今回公表したのは、24年9月の促進月間に対する調査の結果だ。全国の中小企業約30万社へ調査票を送付し、5万1282社から回答を得た。
各回答企業は取引のある発注企業に関して、価格交渉と価格転嫁それぞれの状況について評価した。例えば、元請けの建設会社に対しては、下請け会社や建材会社などが回答した。
価格交渉については、発注企業からの申し入れで交渉を行った場合は10点、交渉を申し出たが応じてもらえなかった場合はマイナス10点などと点数化。価格転嫁では、コスト上昇分を全て転嫁できた場合は10点、5割転嫁できた場合は5点などとした。
中小企業庁は発注企業ごとに取引先評価の平均値を算出し、7点以上を「ア」、4点以上7点未満を「イ」、0点以上4点未満を「ウ」、0点未満を「エ」と区分。10社以上の取引先から評価が集まった発注企業211社の評価区分を公表した。
■建設分野の企業評価(1)
公表された211社のうち、建設会社と住宅会社、建設コンサルタント会社の評価結果をまとめた。「ア」が最も評価が高い。カッコ内は1年前の評価結果。「―」は回答した取引先が10社に満たず、結果が非公表(出所:中小企業庁の資料を基に日経クロステックが作成)
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■建設分野の企業評価(2)
(出所:中小企業庁の資料を基に日経クロステックが作成)
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2023/10/20