欠陥住宅訴訟で最高裁初判断の事件録、建て替え費用相当の賠償認める
欠陥住宅訴訟で最高裁初判断の事件録、建て替え費用相当の賠償認める | 日経クロステック(xTECH)
住宅の瑕疵(かし)を巡って施主が建設会社に損害賠償を請求した訴訟で、最高裁が建て替え費用相当の賠償を認める初の判断を示した事件を取り上げます。日経ホームビルダー2002年12月号の「住宅事件簿」(執筆:西山裕子)を再構成しました。
請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかない場合に(中略)費用を請負人に負担させることは、契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって、請負人にとって過酷であるともいえない──。
2002年9月24日の最高裁判決で、3世帯住宅を注文したユーザーと建設会社の間で争われた裁判が確定した。
(イラスト:勝田 登司夫)
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一審の横浜地裁小田原支部の判決で敗訴し、建て替え費用相当の賠償を命じられた建設会社は、控訴審で「補修が不能であるとしても、民法635条ただし書きにより(中略)建て替え費用を損害賠償として認めることは、契約解除以上のことを認める結果となるから許されない」と主張。二審の東京高裁はこの抗弁を認めなかったため、最高裁に上告していた。
(出所:日経ホームビルダー)
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これまでただし書きの解釈を巡って判例は分かれていたが、最高裁判決まで至った例はないため、最高裁の判断が注目されていた。
ユーザーのKさん側の代理人を務めた丸山哲男弁護士は、「(民法635条ただし書きは)100年以上前にできた時代遅れの法律。今後も建て替えが必要と判断されたら、建て替え費用相当の損害賠償は認められると思う」と話す