トヨタ実験都市「ウーブン・シティ」第1期エリア工事完了、25年秋以降に約360人入居
中東 壮史
日経クロステック/日経アーキテクチュア
トヨタ自動車は静岡県裾野市で計画している実験都市「Toyota Woven City(ウーブン・シティ)」で、第1期エリアの建設を完了した。2025年秋以降の開業に向けて準備を本格化する。米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2025」で、25年1月6日(現地時間)に発表した。
第1期エリアの工事が完了した「ウーブン・シティ」(写真:トヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタ)
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ウーブン・シティは、トヨタが「モビリティーのテストコース」として開発を進めている実験都市である。トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地を利用した70万m2を超える広大な敷地を舞台に、研究者などが実際に暮らしながらモビリティーや物流、食、農業などの実証実験ができる環境を整える。
トヨタの豊田章男代表取締役会長は、「ウーブン・シティは住民が自発的に参加するリアルな実証実験の街だ。発明家が実際の生活環境で新しいアイデアを安全かつ自由に試せる」と説明する。コンセプトとしては「ヒト中心」「実証実験の街」「未完成の街」を掲げている。
同社は20年1月の「CES 2020」で初めてプロジェクトの構想を発表した。デンマークに本拠地を置く建築設計事務所BIG(Bjarke Ingels Group)を率いるビャルケ・インゲルス氏の協力を得て、都市開発に乗り出した。21年2月に地鎮祭を開いて造成工事を始め、24年10月にはウーブン・シティの南側に当たる約5万m2の第1期エリアで建物が完成した。インフラ整備や内装工事を進め、25年秋以降の本格稼働に備える。
第1期エリアに完成した建物(写真:日経クロステック)
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静岡県道82号裾野インター線から望む(写真:日経クロステック)
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静岡県が公開している建築物環境配慮計画書によると、実施設計段階における第1期エリアの建物は延べ面積が約8万4000m2。用途は集合住宅と工場である。基本設計は日建設計で、実施設計は日建設計と大林組、施工は大林組がそれぞれ担当している。
第1期エリアの建物前に設置された地図(写真:日経クロステック)
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ウーブン・シティは環境配慮やQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上を目指した取り組みが評価され、国際環境性能認証制度「LEED」の「Cities and Communities」で最高ランクとなるプラチナ認証を23年3月に日本で初めて取得済みだ。
第1期エリアの鳥瞰(ちょうかん)(写真:トヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタ)
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第1期エリアにはトヨタや同社研究開発機関「ウーブン・バイ・トヨタ」などの関係者と家族が100人ほど暮らし、最終的には約360人の入居を見込む。ウーブン・シティ全体では住民が2000人ほどに拡大する予定だ。一般の受け入れは26年度以降になるという。
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トヨタ豊田会長が語った
「ウーブン・シティ」、
“クルマ以外”の外部連携も加速
「人が住み、
働き、
楽しむ
だけでなく、
あらゆる新しい製品やアイデアを発明、開発できる場所」――。
トヨタ自動車会長の豊田章男氏は、
同社が静岡県裾野市に建設中の実証都市
「Woven City(ウーブン・シ...
2025/01/08