ロシア「影の船団」の石油タンカー、ドイツ沖で漂流

 

AFP=時事

バルト海に面したドイツ北東部リューゲン島のビーチチェア(2019年6月20日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

 

 

 

 

【AFP=時事】

 

ドイツは、

同国北部沖のバルト海で10日に漂流していたタンカーについて、

ロシアが制裁を回避して石油を密輸するために使用している

「影の船団」の一部だと非難した。 

 

 

10万トン近い石油を積んだ全長274メートルのタンカーがバルト海で漂流し、

「操舵不能」に陥っていると報じられた後、

 

アナレーナ・ベーアボック外相は、

ロシアが「老朽化した石油タンカー」を使用していると批判し、

欧州の安全保障に脅威をもたらしていると指摘した。

 

 約「9万9000トンの石油」を積載して

ロシアからエジプトに向かう途中で

トラブルに見舞われたとみられる同タンカーについて、

ドイツの海上緊急対応局の司令部は「沿岸部を低速で漂流していた」と説明。

 

リューゲン島沖でタグボートを接続して係留し、

立ち往生していた乗組員に無線機と懐中電灯も手渡したとしている。 

 

 

海が荒れているため、

港にえい航するかどうかは決定していないという。 

 

複数の偵察機による上空からの確認では、

石油の流出は認められなかった。

 

 

 タンカーはパナマ国旗を掲げていたが、

ドイツ外務省はロシアが制裁回避に使用している影の船団の一部との見方を示している。 

 

 

ベーアボック氏は

「(ロシアのウラジーミル・)プーチン(大統領)は、さびたタンカーの船団を展開し、制裁を回避しているのみならず、(海上で事故が発生した場合に)バルト海の観光がまひしてもお構いなしだ」と批判した。

 

 

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、西側諸国はロシア産の石油に禁輸措置を講じ、石油輸送船へのサービス提供も禁止した。 

 

これに対してロシアは、所有権が不透明か、適切な保険に加入していないタンカーを利用し、高利益が見込まれる石油輸出を続けている。

 

 米シンクタンク「大西洋評議会」によると、ウクライナ侵攻の開始以降、影の船団の船舶数は急増している。 

 

欧州連合(EU)はこれまで、ロシアの石油を輸送しているとみられる船舶70隻以上に制裁を科してきた。 

米国と英国は10日、新たに約180隻の船舶も制裁対象とすると発表した。

 

【翻訳編集】 AFPBB News

 

ロシア「影の船団」の石油タンカー、ドイツ沖で漂流(AFP=時事)