信じられない!

 

”悪”が、はびこりすぎております

 

 

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長大が

 

長年にわたり会計不正、

 

「稟議を回避するため」

 

原価付け替え

筒井 爽人

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

橋梁の設計などを手掛ける建設コンサルタント会社の長大(東京・中央)で長年にわたり、外注業務の原価を別業務に付け替えるなどの会計不正がまん延していたことが判明した。原価率を目標値に収めようと、原価率の厳しい案件の原価を原価率に余裕がある案件に付け替えていた。長大の持ち株会社である人・夢・技術グループが設置した社外の調査委員会による調査結果を2024年11月26日に公表した。

 

 

 

長大は2021年10月1日に持ち株会社制に移行し、人・夢・技術グループの完全子会社になった(写真:日経クロステック)

長大は2021年10月1日に持ち株会社制に移行し、人・夢・技術グループの完全子会社になった(写真:日経クロステック)

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(出所:人・夢・技術グループの資料を基に日経クロステックが作成)

(出所:人・夢・技術グループの資料を基に日経クロステックが作成)

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 調査の発端となったのは24年6月17日に長大の内部監査で発覚した外注業務原価の付け替えだ。構造事業本部第1構造事業部の東京構造技術1部の部長(当時)が不正を働いた。自身が監理技術者を務める橋梁の上部工業務において、予算の原価率を超えることが見込まれたが、その際に必要となる稟議(りんぎ)を回避するために、その業務の委託費を別業務に付け替えた。

 

 

 

 内部監査で原価の付け替えが発覚したことを受けて、長大は同部内の類似の案件を調査。さらに持ち株会社の人・夢・技術グループは社外の委員のみで構成する調査委員会を24年9月9日に設置し、調査の範囲を他の子会社まで広げ、不正の詳細調査や再発防止策の作成に取りかかった。

不適切な会計処理は3分類

 同グループは24年11月26日、委員会から報告書を受理し公開した。委員会は長大の調査で、外注先に対する発注権限を持つ社員689人の全員から回答を得た。長大の不適切な会計処理は(1)外注費の付け替え(2)人工(にんく)の付け替え(3)売り上げの先行計上――に分けられる。

 

 

 

 外注費の付け替えは原価率調整のための別案件への付け替えの他に、終了した案件で生じた外注費や複数案件で生じた外注費を付け替えたケースも確認された。長大では終了した案件について、システム上追加の原価計上ができず、特別な手続きを踏む必要がある。こうした作業の煩雑さを懸念する意識が働いた。

 

 

 こうした稟議などの社内手続きを「ペナルティー」だと感じ、回避しようと原価付け替えの不正行為に及んだ社員が相当数いた。

 

 

 

報告書で示された外注費の付け替えに関するヒアリングの結果(出所:人・夢・技術グループ)

報告書で示された外注費の付け替えに関するヒアリングの結果(出所:人・夢・技術グループ

 

長大が長年にわたり会計不正、「稟議を回避するため」原価付け替え | 日経クロステック(xTECH)