鹿島がダム工事でクレーンを遠隔操作、自動運転など併用で生産性2割向上

坂本 曜平

 

日経クロステック

 

鹿島がダム工事でクレーンを遠隔操作、自動運転など併用で生産性2割向上 | 日経クロステック(xTECH)

 

 

 

 

鹿島は秋田県内で建設が進む成瀬ダムの工事現場に、タワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo(タワリモ)」を導入した。遠隔操作に加えて、タワークレーンの自動運転システムと車両運行管理システムを併用することで、従来工法と比較してコンクリート打設作業の生産性を約20%高めることができたという。

 

 

 

 

鹿島は成瀬ダムの建設現場にタワリモを導入した(写真:鹿島)

鹿島は成瀬ダムの建設現場にタワリモを導入した(写真:鹿島)

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 タワリモは、鹿島と竹中工務店、建設機械のレンタル事業を手掛けるアクティオ(東京・中央)、カナモトが共同で開発したシステムだ。クレーンから離れた場所に設けた専用コックピットで、高所にあるクレーンを遠隔操作する。

 タワリモを活用すれば、オペレーターが高所の運転席まではしごで登る必要がなくなり、高所の運転席に1日中拘束されることもなくなるなど、作業環境を大幅に改善できる。今回はクレーンから約500m離れた地上に設けたコックピットからクレーンを操作し、コンクリートの打設作業を実施。オペレーターの移動時間を1日当たり65分短縮し、タワークレーンの稼働時間を約16%増やした。

 

 

 

タワリモを活用すれば、オペレーターが高所の運転席まではしごで登る必要がなくなる(写真:鹿島)

タワリモを活用すれば、オペレーターが高所の運転席まではしごで登る必要がなくなる(写真:鹿島)

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 コックピットには、操作用レバーやフットスイッチの他、クレーンの振動などを再現して伝えるシリンダーを搭載している。オペレーターの視線の先にはモニターがあり、高所にあるクレーンの運転席やジブの先端などに設置したカメラ映像、動作信号、異常信号などを表示する。実際の運転席からは見えない、クレーン後方部などの映像も確認できる。

 

 

 

タワリモの専用コックピット(写真:鹿島)

タワリモの専用コックピット(写真:鹿島)

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 クレーンとコックピット間の操作信号やカメラ映像などの送受信には、カナモトが開発した通信システム「KCL(Kanamoto Creative Line)」を活用する。通信キャリアの閉域ネットワークを使用することで混線を防ぎ、高いセキュリティーと低遅延を実現した。コックピットでの操作とクレーンの動きの遅延は約0.3秒

 

 

 

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